スーパーコンピュータといっても別に計算速度がすごく速いわけではなくて、一つの仕事を幾つかの作業に分解してやる能力があるだけである。例えば、1から100までの和を求めたいとしよう。スーパーコンピュータはこれを例えば10個の作業に分けておこなう。1から10までの和、11から20までの和、21から30までの和、というように分けておき、各々の和を10個の回路が同時に行ない、あとで足し算をする。これで速度が10倍になるというわけだ。どっかで聞いたことがあるって?そう、要するに、パワーチップやPentiumチップがやっているスーパースケーラーの技術と基本的には同じわけだ(というか、スーパースケーラーの方がスーパーコンピュータの真似なんだけど)。僕がまだ大学院生だった10年前に、計算機センターの助教授が「いまから十年経てばスーパーコンピュータが皆の机の上にのる」と言っていたのを聞いた時はまさかと思ったけど、結局、そうなったわけだ。計算機の進歩はおそろしい。