地球の磁場は現在では地球全体が巨大な電磁石になっているために生じていると信じられている。地球の構造はおまかに言って地殻、マントル、外核、内核よりなる。地殻は我々がその上に住んでいる非常に薄い部分で、その下に プレートテクトニクスを司る対流を生じさせているマントルがあり、その下にどろどろに溶けた鉄を主成分とする外核が横たわっている。この外核の部分が電流を通す「電線」の役割をする。従って、地球が出来てからある程度時間が経ち、今の地球に近い形になって初めて地球磁場はでき上がった。といっても、実際に外核が北極と南極で表現されるような単純な磁石型の磁場を本当に発生させられるのかはまだ解っていない。この3月に神奈川大学で行われた日本物理学会でもこの種の研究発表があったが、「北極と南極を作り出すことが不可能ではない」ことがやっと示された程度ということである。実際、本当のことを言うと地球磁場の発生機構は電磁石というより、発電機のそれに近いのである。ちなみに、火星や金星には地球磁場のような強い磁場は存在しない。(田口注)[共生に戻る]  
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