インタラクティブ・サイエンス・コラム

 オゾンは原子記号で書くとO_3、つまり、酸素原子が3個である。酸素は大気中ではO_2という2原子分子を構成しているが、これは本質的に不安定な分子であり(鉄が錆びるのは空気中の酸素が鉄と結合するからである。自然の状態で鉄と結合すると言うこと自体、大気中の酸素分子が安定ではないことを示している)地球の原始大気の中には酸素は存在しなかった。従って、酸素でできるオゾン層も存在しない。酸素を作り上げたのは光合成を行うバイオマスの存在である。光合成がおきれば酸素が発生し、オゾン層が発生できる。光合成というからには「光」が必要であり、深海ではなく光の届く浅い海に生命が進出する必要があったのだ。(田口注)