SF作家アシモフは、人間に非常に近い概観と知能をもったロボットが製作された時、人間社会に生じてくるであろう様々な社会問題について考察する一連のSFを執筆した。これが「ロボットもの」として知られる作品群である。登場するロボットの基本的な性質を決定する原理としてアシモフが考えた、いわゆるロボット工学三原則はあまりにも有名である。
第一条:ロボットは人間を傷つけてはならない。また、人間が傷つくのをだまって看過してはならない。
第二条:ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。但し、第一条に反する場合はこの限りではない。
第三条:ロボットは自分を守らなければならない。但し、第一条、第二条に反する場合はこの限りではない。
最初にこの原理に基づくアシモフの一連の著作を読んだ時には「どうして人間の形をしている必要があるのだろうか?箱の中に人工知能が入っていたっていいではないか」と思ったものだが、結局、人工知能は人間と同じような機能を持つためには人間にそっくりでなくてはならないのかもしれない。名は体を表す、ならぬ体は本質を表す、というわけだ。アシモフについてはここを参照のこと。