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     インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル

           1997/09/13号 (不定期刊)

     本日のお題:地球上でもっとも典型的な生物とは?I

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この地球上には非常に多くの種類の生物が住んでいる。現在、解っているだけでも、150万種、実際には1億種の生物が住んでいると言われている。じゃあ、このものすごい数の中で「地球上の生物の代表選手を選んで下さい」とエイリアンに頼まれたら、あなたはどんな動物を選ぶだろうか?

我々は人間だから自分を代表にする、という誘惑には誰も勝てないだろうから、人間は選ばないことにしよう。さて、そしたら、何を選ぶ?人間に一番近い高等類人猿だろうか?でもなんとなく。チンパンジーが地球の代表、というのはしっくりこない。じゃあ、地球上で最大の生物、クジラなんかどうだろう?それとも、百獣の王ライオン?しかし、かけてもいいが、「カガク的に」多少なりとも妥当性のある生物を選ぶ人はきっと誰もいない(僕だってつい最近までこれから書くようなことは全然知らなかった)。

 まず、種類数からいってみよう。知られている150万種の生物のうち、もっとも多くの種類を含んでいるグループがあったら、それを代表にする、ってのはどうだろう?意義無し?じゃあ、答えを言おう。既知の150万種の生物のうち、1/3、約50万種は甲虫、つまり、甲虫やテントウ虫の仲間だ。よく、昆虫採集で甲虫ばっかり集めている人がいるけど、これでどうしてだか解るだろう?50万種もあったら、まず、絶対に全部は集め切れない。つまり、お楽しみは永遠にってわけだ。一方で鳥を集めている人なんて聞かないだろう?鳥は非常にわずかの種類しかいない。1万種もいないんじゃないだろうか。これじゃー、集めがいが無いよね。このとてつもなく大きな落差の原因は祖先がいつ生まれたかってことによっているんだ。

 よく、恐竜は鳥になった、とか言うよね?その通りで鳥の祖先はごく最近生まれたんだ。我々哺乳類よりもっと新しい。これに対して昆虫は恐竜なんかよりずっと古い。ジェラシックパークって映画で恐竜のDNAをコハクの中に閉じ込められた恐竜の血を吸った蚊から取り出すって話があったけど、蚊なんて昆虫の仲間じゃ対して古参でもないのに恐竜の時代にはすでにいたんだから、超、古いよね?そういうわけで昆虫の仲間は御先祖様が大昔なんで子孫の種類数も多いってわけだ。

 おっと、すっかり長くなってしまった。この続きはまた次回。次のサイトで次回の予習でもしていてくれたまえ。

生物多様性の問題を考える:

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○インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル1997/09/13

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