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     インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル

           1997/10/04号 (不定期刊)

           本日のお題:大絶滅は地球のリズム?


我々はなぜここにいるのか?つまり、人類はなぜ、存在するのか?この問いに対する答えは無数にある。いわく、神がつくりたもうたから、宇宙の法則の当然の帰結(人間原理)。あるいは、単なる偶然。しかし、一つの大切な答えとして「前任者が絶滅したから」というのがある。

有名なところでは、地球全体を支配していた恐竜が巨大隕石の衝突による気候の劇的な変動で絶滅した、という説がある。恐竜が絶滅しなければ哺乳類は繁栄できず、従って人間も存在しなかったかもしれない、とかいう話は良く聞く話だ。もっと最近ではヨーロッパに現生人類が進出する際、先住民だったネアンデルタール人を意図的かどうかは別にして絶滅に追いやった、という説もある。大体、アメリカ合衆国や日本国自体、先住者(インディアンやアイヌ)を追い払って作った国なんだから「前任者が絶滅したから」というのは普遍的な原理なのかもしれない(勿論、幸いなことにインディアンやアイヌは絶滅することなく、最近は過去の過ちを少しでも償おうという動きがあって喜ばしいことだ)。

しかし、この「前任者の絶滅」というのは現在繁栄している人類からすれば両刃の刃だ。人類だって子孫たちのためにいつかは絶滅するべきなのではないか?絶滅は防げるのか?ってことが問題になるからだ。

最近、Natureという学術雑誌に過去の生物の絶滅は地球の進化というダイナミックスに固有の事象ではないか、という説が提案された。各時代ごとの生物の種類数の揺らぎを化石記録から再現したところ、1/fゆらぎという音楽などに見られるような特徴的な揺らぎ方をしていたからだ。この考えが正しいとすると恐竜の絶滅の様な大絶滅(これは過去に5度あったと言われている)も隕石などのせいではなく、いつやってくるかは解らないが、いつかは必ずやってくる必然的な現象だということになる。ちょうど、株価の暴落や大地震が日々の株の価格変動や小地震のスケールアップ版に 過ぎないように、大絶滅も日々の小絶滅(トキの絶滅のような)のスケールアップ版に過ぎないのではないか、というわけだ。

これが本当なら人類の絶滅は避けられない事態、ということになるかもしれない。もっとも、絶滅の原因はやっぱり隕石で、隕石がやってくる頻度が1/fゆらぎになっているので、絶滅の頻度もそうなっている、ということもありうる。その場合は、巨大隕石が来るのを防げば、人類は絶滅しないで済むわけだ。

人類はなぜ、ここにいるのか?絶滅する運命なのか?この答えが出るときは本当に人類が絶滅する時なのかもしれない。

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○インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル1997/10/04

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