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     インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル
           1997/12/15号 (不定期刊)
     本日のお題:地球にぶつかるものたち
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年末になって来た。御多聞に洩れず、僕も忙しくなって来た。で、今回は手 抜きである。The Planetary Report(Planetary Society 発行の機関誌)の11/12月号のQ&Aより(これって著作権法違反?)。 流れ星(英語ではShooting Star)が実際には砂粒程の大きさしかなく、それ が大気中にすごいスピードで(60キロメートル/秒。典型的なジェット旅客 機は時速1000キロメートル程度だから、ゆうにその200倍はある)大気 圏に突入するためにその摩擦熱で燃え上がり夜空の星々と同じくらい明るく輝 くのだ、ということはみなさんご存知だろう。昔の人はきっと流れ星を見て 「あ、寿命のつきた星が落ちて来るのだな。命が燃え尽きる前の最後の輝きだ からあんなに目立つ程明るいのだ」と思ったに違いないが「星の最後の輝き」 という言い方は当たらずと言えども遠からず、だったわけだ。
実際、この砂粒は、軌道だけ見れば太陽の回りを周回しているれっきとした 「惑星」である。流れ星、とはまさに「惑星と惑星の衝突」というわけだ(ま あ、砂粒でも「惑星」と読んでいいなら、という条件付だが)。
さて、この「砂粒惑星」はどこから来たのだろうか?彗星がその起源の一つ だと言う。彗星が尾を引いて見えるのは、太陽に近付いた彗星が太陽の熱で熱 せられて、蒸発し、その結果本来「汚い(=塵混じりの)雪玉」に過ぎない彗星 からは多量の塵が放出される。この塵は太陽風で吹き飛ばされてそれが尾になっ て見えるのだ。さて、その吹き飛ばされた「尾」はその後どうなってしまうの だろうか?
実は、これこそが、流れ星の正体なのである。吹き飛ばされた「尾」はさり とてそれほど彗星から離れる事も出来ず、彗星の軌道をぐるぐると彗星の後を 負うように回っている。彗星の軌道はひどい楕円軌道で地球の軌道は円軌道だ から、地球は年に一度彗星が通ったあとを「よぎる」ことになる。そこには彗 星が残して言った「塵」がただよっているので、ちょうど、前を走っているト ラックの出す排気ガスの中に車で突っ込むように地球は彗星の残して行った 「塵」の中をよぎることになる。これが流星雨と呼ばれる大規模な流れ星ショ ウになるわけだ。
大体、毎年8月の11日か12日に地球はスイフト-タートル (Swift-Tuttle)と呼ばれる彗星が通過した後を通過するのでこの時、我々は大 規模な流星雨(40〜50個/時)を見ることが出来る。
更に、1999年11月18日にはかなり濃い「塵」の中を通過すると期待 されており、この時はなんと一分に数千の流れ星が見えてもおかしくない、と いう「流星嵐」になるという。ここまでくると殆ど花火にも近い。
Q&Aにはもう一個ネタがあったのだが、まあ、字数もそれなりになったこ とだし、もう一個のネタはまた今度にとっておこう。では。
(注:文中の日付などはアメリカ時間です。日本では多少ずれると思います。)
流れ星

○インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル1997/12/15(購読者:837名)
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