植物のサーカディアン振動子集団における位相波の伝播
佐野研のセミナーに本当に久しぶりに参加。


Speaker: 福田 弘和 氏
(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科)

Title: 植物のサーカディアン振動子集団における位相波の伝播

Abstract:

植物における個体レベルのサーカディアンリズムは,時計遺伝子の発現による細胞レベルの振動子の形成と細胞間の同期という二つの時間・空間スケールの異なった形成プロセスを経て発生している.細胞リズム同士の相互作用についての実験的な結果はまだほとんど得られていないが,原形質連絡や維管束を介して相互作用していると考えられている.原形質連絡は隣り合った細胞を繋ぎ,局所結合を実現している.一方,維管束は植物体全体に張り巡らされた網目状の通導組織であり,大域的な結合を実現していると考えられている.したがって,植物は局所結合と網目状の大域的な結合を持つ複雑な結合振動子系であり,そこでは興味深いダイナミクスが生じていると考えられる.しかしながら,植物のサーカディアン振動細胞集団の時空ダイナミクスに関する実験は少なく,その詳細はほとんど明らかにされていない.そこで本研究では,ルシフェラーゼ遺伝子を利用した可視化技術を用いて細胞レベルのサーカディアンリズムを計測し,植物のサーカディアン振動細胞集団のダイナミクスを実験的に明らかにすることを試みたので,その結果について報告する.
また本セミナーでは,植物の時計遺伝子から先端農業への応用についても簡単に紹介する予定である.


ポイントは時計遺伝子にルシフェラーゼレポーター遺伝子を挿入したシロイヌナズナの変位体を使って、細胞、一個一個の概日周期の引き込み現象を観測する、というもの。非常にきれいな螺旋波が観測されていて感動物だった。
しかし、これが生物学的に意味があるかというといろいろ難しそうではある。

・恒暗条件下であること(当然、そのままにしておくと死んでしまう。死なないまでも葉が黄色く変色してしまうそうだ)
・切り取った葉でないと観測できない(丸ごとの個体では生物発光自体が1日くらいで消えてしまうようである)


つまり、現実にはあり得ない病的な特殊条件で起きている現象なのだ。物理としては面白いけど、生物としては?がつくだろうな。この様な「生物学的には無意味そうな物理的な発見」がいずれ生物現象の理解にも非常に役立つ基礎研究になる、という日がいつか来るんだろうか?来て欲しいけどね.....。

Posted by tag 17:28 | セミナー | comments (0) | trackback (0)
コメント
コメントする
     








この記事のトラックバックURL
http://www.granular.com/cp-bin/blognplus/tb.php/789
トラックバック