本日の大学院の講義は開始時間の出席者がとうとうゼロに。誰も来ないかといぶかりながら、帰り支度を始めると、一人学生が駆け込んで来たので、慌てて撤収しかけた講義の準備を再開して講義を行った。もうちょっと、面白い講義をしないと人は来ないのだろうなあ。
<em>PLoS Computational Biology</em>という雑誌が刊行される。よく理解してないが、要するに商業出版に独占されている学術出版を誰でも閲覧できるベースに乗せようという運動のPLoS(Pubilc Library of Scienceの略らしい)の最新刊。共同研究者の意見ではいい雑誌になるだろう、とのこと。そういう雑誌に投稿してみたいもんですね。夢ですが。
日本物理学会研究者環境分析委員会報告書がようやく公開された。私も委員会の末席を汚した報告書である。これは随分前に男女共同参画がらみで会員向けに施行されたアンケートの結果の分析のうち、男女共同参画とは直接関係しない部分の分析である。アンケートの施行から随分と時間がかかってしまった。僕は「男女共同参画推進委員会」のネットコメンテーターとしてたった一回だけ参加した同委員会で、既に刊行されていた男女共同参画に関係する部分の解析の統計的な有意さにけちをつけたばっかりに、こんなことをやるはめになってしまった。できのよしあしはいろいろ意見があると思いますが、労作であることは間違いなし。これを読んで続きをやってくれる後継者が出現することを祈ります(僕はちょっと..。)なお、6月号の学会誌に簡単な報告が掲載される予定。是非、お読みください。
Natureは変な雑誌だと思う。 5/19号の構成なんて考えようによっては結構シュールだ。エルゴード仮説の記事の次の次のページに、人間の肌色の進化の話が書いてある。前者はサイエンスライターによる軽い読み物、後者は「銃・病原菌・鉄」の著者で名高いジャレッド・ダイアモンド、ということで確かに難解ではない。難解ではないが、これに両方とも興味もてる人ってどれくらいいるんだろうか?欧米には結構いるのか?日本では珍しいタイプの人だと思う。赤い色を着るとスポーツが強くなるなんて話とかどうなんだろうか。面白いけど、Natureに掲載するほど重要?その他には脳の直接計測を用いることの倫理的意味(これは読んでない)とかいう記事もある。Natureという雑誌自体、変な雑誌だ。世界中の一流の研究者がなんとかして研究を掲載してもらおうとしのぎを削る一方で、最近はSFまがいのものまで掲載されている(今号はエッセイなのか。いつもSFなんだけどな)。実におかしな雑誌だと思う。