太陽系の起源


学校で太陽系の構造、というのを習ったかな?太陽系内の惑星や衛星は自転や公転という回転運動をしているけれど、それが殆どの場合、同じ方向だといういうことに気付いたかな?地球を北極の上空から見てみると、「反時計回り」に自転している。同 じように太陽の「北極」から地球の公転の方向を見てみればやはり「反時計まわり」だ。これは地球だけじゃない。地球以外の惑星の公転もすべて「反時計まわり」だし、太陽の「自転」の方向も「反時計回り」。あまつさえ、月の自転や公転の方向さえ「反時計回り」だ。

これは単なる偶然なのだろうか? ある意味ではこれは偶然だ。太陽系内の星々が全て「反時計回り」である代わりに全 ての星々が「時計回り」でも良かったという意味では。大体、宇宙には上下なんて無いから太陽系の星々を反対側、つまり、地球の南側から見てやれば回転方向は「時計回り」になる。

しかし、別の意味ではこれは必然だ。全ての回転運動が同じ向きで無くてはならなかったという意味では。太陽系はその昔、とても大きな、しかし、薄い気体と塵のボールだった。このボールの回転は一様では無く、時計回りの部分も反時計回りの部分も あったけれど、全体としてはわずかに「反時計回り」の部分が多かった。そして、これが重力の力で潰れて、平たい円盤になり、更にいくつかの塊(=星)へと進化した時、もともとのボールの回転方向が保存されてそのまま太陽や地球の自転や公転の方向になったのだ。

これをもう一度見てみるわけには行かないが、簡単な実験をすることは誰にでも出来る。洗面台に水を張り、ごくゆっくりと右回りか左回りに手で回転を与えてから、栓を抜いて水を流してみよう。最初はゆっくりだった回転が排水口から流れ出る時には ずっと高速の回転になっていることが解るだろう。そして、その回転方向は最初に手 で与えた回転の方向と同じになる。原始の「ボール」は今の太陽系の大きさよりずっ と大きかった。これが、太陽系の大きさに「縮む」時に、ちょうどこの洗面台から流 れ出る水の回転と同じことが起きて、太陽系の星々に高速の自転と公転を与えたのだ。そんなわけで宇宙広しと言えども、殆ど例外なく星は回転している。それどころか、銀河系さえも回転している。どっちの方向にだって?それはまあ、みんなへの宿題と いうことにしておこう。


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