プロバイダが変わったり、転職したりする度に、メールアドレスが変わるのは面倒だ。聞くところによるとアメリカの某情報系学会では会員固有のメールアドレスを提供しているらしい。特に若い頃は頻繁に所属が変わることが多いアメリカでは重宝するのだろう。所属が変わらなくても所属機関の都合でメールアドレスを変えられてしまい、前から使っていたアドレスが無効になって困ることはよくある。僕も一度そういう嫌な目にあったのでドメインホスティングサービスで所有しているドメインｇｒａｎｕｌａｒ．ｃｏｍの中にメールアドレスを作っている。これなら、制度が変わってドメイン名を取り上げられたりしない限り、まずメールアドレスを変えられる可能性はない。しかし、自分でドメインを所有するのは金がかかるので、恒久的なアドレスのためだけにドメインを所有するわけにはいかないだろう。
そういう場合には、このニュースレターで過去にも触れられたことがあるようなメールアドレス提供サービスを用いるという手がある。ここで取得したアドレスはずっと有効で、このアドレス向けに送られたメールを自分のメールアドレスに転送しておくように設定し、他の人にはこの取得したアドレスの方を教えておけばいい。かくいう僕も、ｂｉｇｆｏｏｔ（１）に登録して、無料の電子メールアドレスを取得している。まあ、でも、まだ、使ったことはない。しかし、これだと、ｘｘｘ＠ｂｉｇｆｏｏｔ．ｃｏｍというドメインに固定されてしまうので何だか嫌な人もいるだろうし、ｘｘｘの部分は早い者勝ちなのでありふれた名前の人は困るだろう。
最近、ちょっと変わったところでは、ドメイン名をたくさんの選択肢から選べる、というサービスがある（２）。ここには無料のものと有料のものがあって、選択したメールアドレスに送られてきたメールを転送してくれる。僕は、お金を払ってｐｈｙｓｉｃｉｓｔ．ｎｅｔというドメインにメールアドレスを作った。まだ、使い道は何も考えていないから、お金を払うだけ無駄かもしれない。しかし、どうもよく解らないのは、どうやってお金を儲けているか、だ。ｂｉｇｆｏｏｔもｉｎａｍｅも有料サービスを提供しているので、そちらで主にお金を儲けていて、無料サービスは客寄せなのだろうか？ｂｉｇｆｏｏｔに登録した時は何か宣伝のようなものが送られてくると書いてあったが、実際に送られてきているのだろうか？確かに英語のダイレクトメールは一杯くるが、どれがｂｉｇｆｏｏｔに登録したために送られてくるのか良く解らない。何も得がないのにやっているとも思えないのだが…。
(1) http://www.bigfoot.com
(2) http://www.iname.com[Back]
ホームページは有効な情報発信方法だが、いかんせん、受け身である。読者を増やすために、あちこちのディレクトリサービスに登録したり、種々のホームページ紹介サービスに登録したりと、いろいろ苦労している人も多いと思う。そんな中で電子メールが見直されつつあるが、その新しい応用形態として、電子メールマガジン発行サポートサイトまぐまぐ（１）について報告したい。
電子メール新聞を発行する際に問題となるのは読者の獲得である。まぐまぐでは、一見、普通のホームページ紹介ディレクトリサービスのような画面が準備されているが、分類されているのはホームページではなく、電子メール新聞のリストである。現在、６００紙強が登録されており、読者数最大のものは万のオーダの読者数を獲得している。登録読者数は４０万強であり、新規読者数は７０００人／日という驚異的な人数だという。つまり、ここに登録しておくだけで、毎日１０人くらいずつ読者が増えていくわけだ。単純計算では１年で４０００人弱、というちょっとした雑誌なみの購読者が確保できる。
このまぐまぐのユニークな点は、単に読者獲得の場を提供するだけでなく、電子メール新聞の発行／読者管理も行っている点だ。まぐまぐを訪れて電子メール新聞を読みたいと思った読者は、個々の発行者でなく、まぐまぐに登録する。発行する側は、まぐまぐ内の特定のホームページを開き（マガジン管理者専用画面）、そこに記事を書き込んで送信ボタンを押すだけで、購読者に配信される。その結果、購読者と発行者の手間を最小限にすることが出来る。このユニークな試みが当たって、上記のような発行紙数と購読者数を獲得したようである。
私も、実際に電子メール新聞を発行する（ふり）をして見たが、登録者のうちの希望者に配布される新着リスト掲載後、２日足らずで２００人近くの購読者が登録された。現在、このリストの配布数は８万程度とのことであるから、「インターネット上の広告は実際の効果（広告を見て行動を起こす人）は１％程度」という経験則には反していないが、それでも、数百人の購読者を簡単に得られるのは大きい。その後も、１０人／日程度で購読者は増え続けている。さて、このサイトはどうやって商売をしているのか？
前述の新着リストに広告を掲載する。広告はリストの先頭と末尾に掲載され、各、３円×配布数の広告料を取るという。配布数は８万程度なので新着リスト１本あたり、約５０万円の粗利になる。このリストは週２回発行されるので、月ごとの粗利は４００万円、年ごとの粗利は５０００万近い。勿論、サイトの維持管理、サーバの維持費が必要だが、サーバはごく普通のＰＣにフリーＵＮＩＸを載せたもので十分だと思う。広告がコンスタントに取れれば、結構、商売になるのではないか。
もう１つの注目すべき点は、発行者自身が広告料を取れるかもしれない、ということだ。購読者が多いものは万のオーダだから、まぐまぐが各電子メール新聞に広告を掲載することを禁止さえしなければ（現在のところ、そのような記述は見られない）、十分、広告を取れるだろう。さらに、１０００人程度の購読者の電子メール新聞はごろごろしている。１０００人程度、というのは、弱小雑誌に十分匹敵する数である。勿論、発行部数数千程度の雑誌でも広告料を取っているところはある。
まぐまぐは、純粋にインターネットを利用した「事業」といえるだろう。
Ｙａｈｏｏに劣らないアイディアの勝利である。
(1) http://www.mag2.com[Back]
店舗数２７０００を誇り、世界最大とも言われるインターネットモールサイト「ｉｎｔｅｒｎｅｔｍａｌｌ」にはなんと日本語ページがある（１）。このモールには本屋から食品、コンピュータソフトまでありとあらゆるものがあり、日本語ページがあることから解るように、日本への発送を扱っているサイトも多い。実はこの日本語ページ、英語ページをＰＣ−Ｔｒａｎｓｅｒ／ｅｊという翻訳ソフトで翻訳しただけなので無茶苦茶ではある。ただ、現実問題として、「買いもの」ができればいい、と割り切るならば、英語が解らなくても買いものが出来ない、というほどでは無くなっている。ちょっと前まで、個人輸入、というと趣味的でリスクも大きく、また、英語能力を要求される、ということもあり、一般的ではなかったものだが、こうなってくると事情は違ってくるかもしれない。海外に通用するクレジットカードさえあれば、誰でも買いものが出来るのである。ただ、個々の店に入ってしまえば日本語ページがあるわけではないのでまだまだだが、もし、個々の店までが無茶苦茶なものでもとにかく日本語ページを用意してきた場合、そして、価格＋送料が国内の店より安かった場合、果して国内のインターネットモールは、太刀打ち出来るのだろうか？どう考えても向こうの方が売上は多いだろうから、価格的に全く太刀打ち出来ないのではないだろうか。
ちなみに、Ｉｎｔｅｒｎｅｔｍａｌｌは、Ｙａｈｏｏ的なベンチャービジネスだそうである（２）。日本ではなかなかこういうビジネスが立ち上がらないようで、歯がゆいことである。
(１) http://www.internet-mall.com/Japanese/
(２) 日経マック、９月号、１７８ページ[Back]
パソコン上のメイラー（インターネットメールを送受信するソフト）と言えば、Ｅｕｄｒａ系かせいぜい、マイクロソフト標準添付のものと相場が決まっていたが、最近では様々なものが出始めた。それはそれで結構なことなのだが、わけの解らない添付書類のついたメールが最近、非常に増えている。勉強不足のため、個々の添付ファイルの実体をまだ把握できていないが、送り手が意図的にやっているのではなく、本人も知らずにやっていることが多いようだ。
例えば、ＣＭＬＤというドライバで送られたメールにＭｓ−Ｔｎｅｆというタイプの添付書類がついていることがあるが、ある特定の人物の送るメールにだけ、これが添付されている。どうも、想像するに、本文そのものが何らかの形でｅｎｃｏｄｉｎｇされたものが標準で添付されているようだ。ＣＭＬＤを使っていても大多数の人のメールには何も添付されていないから、本人の設定ミスなのだろう。Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ／Ｏｃｔｅｔ−Ｓｔｒｅａｍというのも見るが、これは一部のＭＡＣメイラーでｅｎｃｏｄｉｎｇ無しで、文書を添付した時に選択されるようだ（一般的には、バイナリファイルをｅｎｃｏｄｉｎｇ無しで添付するとこうなる）。
これは他人事ではなくて、先日紹介したインターネットメール＆ニュースも裏でインターネットエクスプローラが立ち上がっていると無条件にＨＴＭＬ形式の本文を添付するようである（もっとも設定を理解していないだけかも知れない）。これらはすべてＭＩＭＥ（１）と言ってインターネットメールに文字以外のもの（正確にはアスキーコード以外の全てのもの。従って、日本語も含まれる）を添付するときの規則に反してはいないように見えるから、文句を言っても仕方が無いのかも知れないが、受け手が読めるとは限らない添付書類をやたらと添付するメイラーが増えて来るのはあまり気持ちが良くない。
ＭＩＭＥを作った人は善意だったと思うのだが、何でも添付して良い、となるのはちょっと困る。メイラーの種類が増えて来るにつれ、これはいずれ問題になるだろう。今のうちに何とかして欲しい。
(1) http://www.oac.uci.edu/indiv/ehood/MIME/MIME.html[Back]
現在、私の共同研究者は、電車で２時間のところと、イリノイ州にいる。
両方とも日本人だが、電車で２時間のところにいる方は企業の研究者で気軽に行き来できない（こちらから行く場合には外部者の立ち入り、ということでおおげさな手続きが、向こうがこっちに来るには今度は向こうの大げさな出張手続きが必要である）し、イリノイ州の方はもっと面倒である。
そんな場合、ＷＷＷで情報共有してしまうと便利なことが多い。私の机の上に乗っている機械は、ＬｉｎｕｘマシンでＡｐａｃｈｅ（１）が動いており、学外から直接アクセス可能だ。ＨＴＭＬ化した文書なら共同研究者はそのまま見る事が出来る。しかし、ここでいちいち相手にみせるためにＨＴＭＬ化するのでは手間がかかってしょうがない。そこで、最初から研究成果はＨＴＭＬで整理しておく。
どうするかというと、計算結果のパラメータ一覧のページをＨＴＭＬで作り、プログラム、データ、グラフ（２）などにリンクを張っておく。最初は、共同研究者にデータを見せるためだったのだが、実際にやってみると、結構、自分のためになった。数値計算をしていると計算結果のファイルやプリントアウトしたグラフがごちゃごちゃになって整理に頭を悩ませたものだが、そういうこともなくなった。研究もほとんどペーパレスになった。こうやって出来たＨＴＭＬ文書をディレクトリごとｈｔｔｐｄがアクセスできるところにシンボリックリンクしてしまえば、ＯＫである。ちなみに、共同研究者達はマック使いとＷＩＮ９５使いなのだが、画像データを含めて、転送に何ら問題は無かった。インターネットはクロスプラットホームの役にも立っている。
まあ、もともと、ＷＷＷは高エネルギー物理研究者がデータをネットワーク越しに共有するために作り出したシステムだから、こういう使い方が、むしろ普通なのである。そういう意味ではイントラネット、なんて用語はいちいち作るまでもなく、当たり前の用途を言っているに過ぎない。古い事に新しい名前をつけてお金を儲ける、という点に関してはインターネット業界もなかなか捨てた物ではない。実際、みんな便利になっているのだから、そういうことを、あんまり馬鹿にしてはいけないのだろう、きっと。
(1) http://www.apache.org/
(2) これは適当なグラフ作成ソフトで描き
xvで画面ダンプをとり、gifかjpegで出力し、ＨＴＭＬに貼り付ける。[Back]
現在、リメイク版スターウォーズシリーズ第２段「帝国の逆襲」が大ヒット上映中である。だから、というわけではないが、マイクロソフトの小さな逆襲について語ろう。
この度、かねてから話題のインターネットメールアンドニュース ｏｎ Ｍａｃ（以下、ＩＭＮ ｏｎ Ｍａｃと略記）をインストールした。某ＭＡＣ誌が、これ程素晴らしい出来映えのものを無料で配るとは信じられない！と激賞したものである。これはその名の通り、インターネット上のメールとニュースを読むためのインタフェースであるが、利用頻度からいって主眼は電子メールの送受信ソフト（メイラー）、ということになるだろう。ＭＡＣ上のメイラーとしてはＥｕｄｒａ系が独壇場だったが、最近各社がいろいろなソフトを出し始めており、予断を許さなくなり始めている。Ｅｕｄｒａの優位性はその普及度はもとより、機能としての先進性にあったことは疑うべくも無い。しかし、Ｅｕｄｒａ系の最新版であるＰｒｏ３．０は日本語化版が不評だった（非常に重い）上にもとの英語版も大きな性能の進化は無かった。最大の進化は、多分「文字修飾や画像添付」という点だろうが、この点ではブラウザ系のメイラー（ブラウザにおまけでついているメイラー機能）の方が何歩も進んでいる。
さて、ＩＭＮ ｏｎ ＭＡＣはインターネットエクスプローラ付属のメイラーだったが、もはや、付属の、というにはあまりにも無理がある程Ｅｕｄｒａ並みの高機能メイラーになってしまった。Ｅｕｄｒａ Ｐｒｏ３．０と比べても、機能的に遜色は感じられない。Ｅｕｄｒａ自身も指向しているブラウザとの連携（メール文中にＵＲＬがあるとクリックするだけでブラウザが立ち上がる）という機能なども最初から完備している（当たり前だ）。現実問題として、ＩＭＮ ｏｎ ＭＡＣが無料で配られたら、メイラーに金など出す人はいるのだろうか？ＭＡＣはまだいい。ＩＮＭ ｏｎ ＭＡＣがプレインストールされたマシンが標準になることは無いだろうから。が、ウィンドウズ系のパソコンにはこれ（ＩＭＮ ｏｎ ＷＩＮＤＯＷＳ）が標準で付いてくることになるのだ（ろう、少なくとも将来は）。もはや、あえて金を払う人などいないだろう。ＩＭＮ ｏｎ ＭＡＣには、目新らしさはほとんどない。
Ｅｕｄｒａ Ｐｒｏやネットスケープナビゲータ付属のメイラー機能の完全な猿真似である。「新しいことは何もやらないが、いつも最高の二番手」というマイクロソフトの神話にまた一つ、新しい神話が加わったようだ。そして、ＩＭＮの<Ｍ>は、もはやマイクロソフトの<Ｍ>ですらない（メイル、のＭ）。
俺が標準だ、と言わんばかりだ。「ホッチキス」や「マジック」のように、マイクロソフトが、「何か」の「俗称」になる日は近そうだ。その「何か」が、「個人用情報システム全部」であったとしても、僕は驚かない（「マイクロソフトで連絡するよ（＝メールを送る、の意味）」、「マイクロソフトに書いておくよ（＝何だか解らないが将来の個人用パソコンの記録システム）」）。
おそるべし、マイクロソフト。
この企業体は本当に不死かもしれない。[Back]
本学の一年生向け情報処理教育を担当していることは前にも触れたが（１）、この度、無事（？）講義を終了し、簡単なアンケートを取ったので、それについて報告したい。
他の科目も教えたのだが、「人気度」は情報処理教育が断トツだった。これは内容的にインターネット中心だったせいもあるだろう。アンケート回収率は２／３強で、<興味が持てた>、<やや、興味が持てた>を合わせると８０％という凄さである。一方、難易度についても、<難しくも簡単でもない>という者が半数で、残りが、<難しい>、と<簡単>、に対称に分布している、ということでまさに「学生の受け」という点からすると、理想的な授業であった。ちなみに、講義の主な内容は、
◇ログインの仕方、◇エディタ（Ｍｕｌｅ）の使い方、◇日本語入力、
◇電子メール、◇ＬａＴｅＸ、◇ＷＷＷとＮｅｔＮｅｗｓ、
◇ＨＴＭＬ超入門、◇ｇｎｕｐｌｏｔによるグラフ作成、◇画像処理入門、
◇メーリングリストに入ろう
一方、いろいろ問題もある。
まず、この学科は情報系の学科ではない。教えた他の科目の方が重要だと思うのだが、そちらは、<興味が持てた>、<やや興味が持てた>、を合わせても、１／３以下であった。もし、大学（本学は私学である）を「学生」を顧客とする私企業とみなすなら、専門科目は全部廃止して、情報処理をやらなくてはならぬ。しかし、そうなると当該学科の存在意義はどうなるのだろうか？
インターネットばっかり教えていては就職に差し支える、と言う点で、顧客（＝学生）のニーズを満たせない、と思うかも知れないが、近年、当該学科ではソフト関係の求人が急増中である。単純にマーケティングという観点からすれば、当該学科を廃止して教官を全員解雇し、情報系の学科にしてしまった方がいいことになる。
しかし、何となく、大学がそれでは困った感じがするのも事実である（専門学校と何が違うのか？）。
実になやましい世の中だ。
(1) NEWSLETTER FROM JATES NO.50[Back]
ホームページを作ったからには、訪問者が多くあって欲しい、と思うのは世の常。「ホームページのアクセス数を伸ばすには？」式のノウハウを伝授するサイトやバナーエクスチェンジのような個人ホームページ広告業が流行るゆえんであろう。そういうところで必ず言われるのは、「更新されないサイトは人が来なくなるから、なるべく頻繁に更新しなさい」ということである。これは本当だろうか？
僕自身は、伊藤さんの「就職ページ」には及びもつかないものの、それなりにアクセスのあるページ（１）を持っている。内容はかつて雑誌に連載された「科学エッセイ」である。つまり、個人的な書き物が勝負のサイト。しかも、この３月で連載は終わってしまったから、更新されていない。
ここ一年くらいのアクセス数の推移を見てみよう。
07/96 677 ************************
08/96 873 *******************************
09/96 1777
*****************************************************************
10/96 1532
********************************************************
11/96 1391 **************************************************
12/96 1253 *********************************************
01/97 1120 ****************************************
02/97 1094 ****************************************
03/97 1179 *******************************************
04/97 1426 ****************************************************
05/97 1504
*******************************************************
06/97 1266 **********************************************
９月にアクセス数が爆発しているのは、インターネットウォッチで紹介されたからである。そのあと、ご多分に漏れず、アクセス数は徐々に減少しているが、５月にぐっと伸びている。実は、５月の末にＦｉｒｓｔＮｅｗｓ（２）で紹介されたのである。これはこちらから「広報してください」と頼むタイプ。途端にアクセス数が上がって、その余波が６月までまだ続いている。全然更新していないのに、である。
結論を言おう。
「更新されないサイトは、アクセスされない」は、嘘である。
大体、本だって、ロングセラーというものが存在する。別に内容が新しくなるわけではない。しかし、一度ロングセラーになるといつも本屋においてあるので人目に触れ続け、売れ続けるのである。
要は、人目に触れる頻度＝宣伝が大事なのだ。インターネットにアクセスする人は数百万人もいる。毎年、数万程度のアクセスを維持するだけなら、内容がしっかりしていて宣伝をし続ければ、新規参入者が訪れてくれるから、アクセス数を維持できるのではないか。「毎日更新しないと、アクセス数が減る」という「神話」は、かえってホームページの<質>を落とし、「ごみが多い」という批判に拍車を掛けるだけではないか。そんな気がする今日この頃である。ホームページは、むしろ、紙に印刷できる程読者数は期待できないが、内容がしっかりしたものをおくのにこそ、ふさわしいのではないだろうか？
(1) http://www.granular.com/ISC-J/
(2) http://www.firstnews.com/
読者数数万と自称するメーリングリスト形式のホームページ広報雑誌[Back]
Ｃｏｏｋｉｅｓ（１）というものをご存知だろうか？
実は技術的に正確な事は私も何も知らない。経験則から言うと「ブラウザを起動してＷＷＷサーバにアクセスした時、サーバ側がブラウザが起動しているマシーンのハードディスク上に確保する記録領域」ということらしい。平たく言うと、あなたの計算機のハードディスクの一部分を、ホームページを用意した側が「勝手に」読み書きしている、ということになる。考えようによってはこれは酷い話だが（他人の資源を勝手に使うわけだから）、一体なんでこんなものが使われるようになったのか？用途にはいろいろあるが身近なところではホームページのパーソナライズドサービスに使われている。
オンラインマガジンや検索ページなどで「お好みの話題だけ見られるようにいたします」とか、「一度、登録すると、次回からは自動的に『あなた用に』カスタマイズしたホームページにアクセスできます」みたいな機能があることがある。この場合、どのようにカスタマイズしたか、という情報を、どこかに保存しておかなくてはならないが、これをサーバ側で保存すると、ユーザを認証してデータを検索するだけでも大変である。そこでユーザ側の計算機にカスタマイズ情報を置いておき、アクセスがあったら、そこを読む、というようにすると便利なわけだ。
この機能、アプリケーションを作る側からすればごく普通の「初期設定ファイル」と同じ役目をするに過ぎない。ブラウザが「このページをアクセスしたらこういう風なパラメータを使う」という情報を自分の内部に持っているだけなのだから、ごく普通の使い方、ということなのだろう。
ところが、ユーザ側からするとちょっと待てよ、ということになる。過去にいつ、アクセスしたか、どのページを見たか、などを記録されてしまう可能性もある。原理的にはある計算機からアクセスしてくる個人がどのような検索を行なったか＝どういう興味があるか、を勝手に統計をとられてしまうかもしれない。特にダイアルアップユーザの場合には本来ＩＰアドレスでは個体が特定できないから「安全」である筈がそれがなくなると同時に、ダイアルアップユーザの場合、計算機を共有していない＝計算機は個人と一対一対応、の可能性が高いので、大きな問題になりうる。つまり、プライバシーの侵害、である。ＩＥ３．０１ ｆｏｒ Ｍａｃをインストールしたところ、「Ｃｏｏｋｉｅを使う要請が来たら警告する」というオプションが付いていたのでこれを有効にしてネットサーフしたところ、非常に多くの場合、特に検索エンジンなどでＣｏｏｋｉｅが多用されていることが解った。勿論、こんなことをしなくてもブラウザの初期設定ファイルにＣｏｏｋｉｅという項目が入っている筈であり、そこを見ればどんなところがＣｏｏｋｉｅを使っているのか、簡単に見ることは出来る。
例えば、職場で使っているnetscape 3.0 の場合は、~/.netscape/cookiesがそのファイルであり、そこにリストされているｃｏｏｋｉｅ使用サイトの例は、
manzoku.topica.or.jp
.infoseek.com
.msn.com
.doubleclick.net
.netscape.com
.hotbot.com
www.hypernet.co.jp
.focalink.com
.goo.ne.jp
www.jura.ch
.barnesandnoble.com
www.digiweb.com
denpo.isp.ntt.co.jp
www.gates96a.com
www.stpt.com
pwrsrch.stpt.com
.wiredsource.com
.dogpile.com
である。
自分でもカスタマイズした覚えの無いサイトが、一杯含まれている。情報は暗号化されているので何を記録しているのか解らないが薄気味悪い話だ。情報は時間が経ったり、ブラウザを終ったりすると消されることも多いようなので実際にはもっと多くのサイトがｃｏｏｋｉｅを使っていると思う。
ｃｏｏｋｉｅはどうもｊａｖａやｐｌｕｇｉｎと同じようにブラウザを便利にする機能、という感じで捉えられていて、現在問題点を指摘した報道やホームページは少ないようだ。僕は気にしないが、何も知らない人が知らない内にこういうものを記録されているとなると、あとで問題になるかもしれない。関係者の方々には啓蒙活動をして戴きたいものだ。
（１）Ｃｏｏｋｉｅについては例えば：
http://www2e.meshnet.or.jp/~s-hasei/wwwcook.htm
http://www.st.rim.or.jp/~hirono/cgitips/cookie.html など。
但し、これは公式サイトではないので、内容の正確さは保証できない。[Back]
現在、所属する大学の某学科（一年時）で「情報処理」なる講義を担当している。この手の講義は昔ならプログラミングを教える講義と相場は決まっていたのだが、本学でも昨年からインターネット接続可能なＵＮＩＸ環境が整ったので、そういうことはやめてしまって、電子メール、ホームページ、 ＷＷＷなどを中心とし、かつ、実習中心の講義を試みている。僕自身、１０数年来の計算機のパワーユーザ（？）として講義を行って、思うこともいろいろあるので書いてみる。
昔に比べて、とにかく、今の学生は計算機に対する適応が異常に早い。パソコンを所有している割合など１割程度でたいしたこともないのだが、９０分の講義３回で日本語で電子メールがやりとりできるようになってしまった。皆、楽しく、学外の友人などとメールをやりとりしているようだ。わが身を振り返れば、同世代の中ではかなり計算機が得意だった方だと思うが、それでも最初のうちはキーボードを打つのが遅くて大変で、日本語なんてとんでもない、という感じだったものだ。それに比べると、今の学生の適応力はまさに当時とは段違いである。また、昔は良く、どうしても計算機が使えなくて箸にも棒にもかからない、という学生がいたものだが、今はそういうことはほとんどないようだ。ファミコン世代でコンピュータに抵抗が無いのだろう。
ところが、調子に乗って講義でホームページを作らせようとしたら、これはどうもうまくない。内容が云々、という以前にＨＴＭＬで文書を作るのが苦痛のようである。残念ながら、 ＵＮＩＸにはＧＵＩベースのいいＨＴＭＬエディタが無いので壁にぶち当たって止まっている。
こういうところを見ていると、食わず嫌いとか、精神的な距離感で計算機を避ける、という感覚はきれいに無くなっているが、一方で、苦労してまで計算機を使おう、というほど興味はないようである。ＷＷＷを見るのは好きだが、自分で何かを作る喜びは知らないようだ。
さて、情報処理教育の落としどころ、どこへもっていくべきだろうか。悩ましい日々である。[Back]
インターネットはボーダーレス、とは昔から言われるが、実際にものの売り買いとなるといろいろな面で難しい。ソフトウェアなら兎も角、それ以外の売買では、結局、物を輸送せざるを得ないので、国内で手に入るものを外国から輸送するとその分、割高になる。パソコンのように国内に事実上対抗者がいないものなら兎も角、一般的には日本に外国からものをインターネットを介して売りつけるのは容易ではない。だが、洋書販売はどうだろうか？これならもともと「外国製」だから国内の業者も外国の業者と同じ輸送費を負担しなくてはならない。
アメリカには有名な洋書通販サイバーモールが存在する。中でも有名なのはamazon.com(１)だろう。古本、新本あわせて２５０万冊のリストを誇る。検索エンジンで本を捜して注文する。定価より数割安く売っているので、船便ならこの割引分でもとが取れる(もっとも、時間は掛かる)。早く欲しい時は、エアメールや宅配( Fedexとか DHLの類)も選択できる(もっともお金は掛かる)。
僕はここから何冊か洋書を購入したが、極めて便利だった。これに対抗する新興勢力はBarnes & Noble(２)でこちらはもともと巨大本屋だったが、amazonの好業績をみて参入したらしい。残念ながら、外国への送料が高価で日本から買う場合は amazonのライバルにはなれない。
翻って日本、というと洋書販売は古くから寡占状態。大分、良くなって来たものの今だに１ドル１８０円という法外なレートがまかり通っている。これは一部には大学図書館と業者の癒着だという説もあるが、真偽の程は解らない。その日本でも紀伊国屋(３)や丸善(４)がインターネットで洋書の通販を行っている。手数料は下がっているものの、丸善は定価の３割、紀伊国屋は手数料無しから３割までの変動制だが、別途取り寄せ手数料２５０円、更に両者とも国内の送料として５００円程度、取られる。値段的には到底、amazonには対抗できない。ただ、国内に在庫があれば丸善や紀伊国屋の方が早いだろう。それでも本の値段によっては amazon で Fast Deliveryを選択すれば「安くて早い」可能性もあるかもしれない。
むしろ、問題は国内の体制だ。インターネット通販はクレジットカード決裁を旨とするが、法人・大学などで個人名義のクレジット決裁に対する立て替え払いを許す事は少ない。洋書は業務のために購入することが多いからこれでは使い物にならぬ。最後の「非関税障壁」ということだろうか。
(1) http://www.amazon.com/
(2) http://www.barnesandnoble.com
(3) https://bookweb.kinokuniya.co.jp/
(4)
http://www.maruzen.co.jp/booknet-index-j.html[Back]
最近、ネットサーフをしていると、「あなたは○○人目の訪問者です」という表示の「○○人目」が、１０万人のオーダーになっているサイトを良く見掛けるようになった。しかも、内容的にすごく優れている、というようには思えないサイトでも、１０万人、というのは普通になりつつある。それだけ多くの人がネットサーフするようになりつつある、ということだろう。多くのサイトは１年未満で、このヒット数に到達している。１年で１０万ヒットということは簡単に言うと、１日３００人ということになる。これは、馬鹿にならない。現在のレートは分からないが、「Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈ」は発足時、購読者数万人で広告料７万円を取っていた。しからば、１０万ヒットするホームページに１年間数行の広告を掲載する費用として７万円とっても全然、法外ではないわけだ。
実際、拙ホームページが「Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈ」に掲載された時のヒット数の増加は数百であり、当時の購読者数万人の１パーセントに過ぎなかった。先日のコラム「バナーエクスチェンジ」およびその続編で解説したように、バナーの場合も実際にクリックする人の割合は１パーセント程度である。これからすると、「Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈ」もホームページでの広告も、「効果」は同じオーダーだと言える。
環境にもよるだろうが、「７万円」と言えば電話代も含めたホームページの維持費として十分とは言わないまでも、かなりの額ではないだろうか。かつて、「インターネットが只になる日」というコラムを執筆したが、「作る方」が只になる日も近いかも知れない。[Back]
４１号でバナーエクスチェンジ（１）のレポートを行った。一カ月が経過したので評価も含めて報告しておこう。さて、まずシステム的な問題だが、案の上、アクセスの重さに耐えられず、バナーエクスチェンジのサーバは更新された。その際、数週間にわたり、新しいサイトの登録は停止された。更新されたのはサーバだけでなく、バナーの表示方法もｊａｖａを使ったものから、クッキーを用いたものに変更になった。この結果、軽くはなったのだが、クッキーにはいろいろ問題が指摘されているので好みは別れるところだろう。僕は気にしない。ちなみに広告効果だが掲示されたバナーをクリックして僕のページを訪れてくれる頻度は１％に過ぎないことが解った。つまり、バナーの広告効果は非常にわずかということだ。
バナーエクスチェンジプログラムによれば、僕が自分のページで１００回他者のバナーを掲示すると、お返しに５０回、僕のバナーが掲示される。これに１％をかけると２００分の１しか効果がないことになる。事実上あってもなくてもいい程度の増加率だ。バナーエクスチェンジはホームページの訪問者を増やすのには事実上、役に立たない、ということになる。少し不思議なのは登録後、訪問者の数が明らかに増えたことだ。これがバナーをクリックした人でないのは間違いない。バナーにはクリックする以外の広告効果がありうるのだろうか？謎だ。
バナーをクリックする人が少ないことについては、僕の自作のバナーが悪いのかもしれないし、また僕のページ自体（２）がつまらないのかもしれないので一般論として意味があるのかどうかは解らない。だが、まあ、１％というのは、広告効果としては悪くないのかもしれない。ただ、ホームページで物を売ったりする場合は、更にそこで購買行動を起こす人の割合が問題になるから、評価はまた別れるだろう。英語のサイトでは、バナーエクスチェンジは複数存在し、ｙａｈｏｏ．ｃｏｍなどでＢａｎｎｅｒ Ｅｘｃｈａｎｇｅを検索すると幾つも見出すことができる。そのうちの一つに、自分が運営している学術サイト（３）を登録してみたので、そちらの効果の程もいずれレポートしたい。
(1) http://www.csj.co.jp/BX/index.html
(2) http://www.granular.com/ISC-J
(3) http://www.granular.com[Back]
老舗の検索エンジンで有名なＣＳＪ（１）はこのほどバナーエクスチェンジプログラム（２）を開始した。＜バナー＞とは、このニュースレターでも何度か触れて来たが、ホームページ上の「広告」のようなもので、小さなマークを置き、クリックすると広告主にジャンプする、というものだ。
＜バナーエクスチェンジプログラム＞とは、お互いにバナーを置き合う取り決めで、宣伝をしあうものだ。このやりかたをとると、訪問者数が一日１００人以下のマイナーなサイトでも、広報しあうことができる。さて、主催者のＣＳＪは何を得るのか？
実は、バナーの交換数には「天引き」があり、自分が他人のバナーを表示した数の５割しか他人は表示し返してくれない。天引き分がＣＳＪの取り分で、そこにお金を払ってくれるサイトの広告をもぐりこませるらしい。
早速、登録して見たが、バナーエクスチェンジで使われているのは、ｊａｖａａｐｐｌｅｔであり、ローカルなブラウザがｊａｖａ ａｐｐｌｅｔをサポートしていないと灰色の四角が表示されるだけ。また、ブラウザによってはこのａｐｐｌｅｔを読みこむと落ちてしまうものもあるようである。
また、現在のところ、自分のホームページを広告するバナーは自作であり、我ながら「こんなダサいバナーを表示される方も可哀想だな」と思ってしまう。
逆に言うと、自分のページに何が広告されるかわからないわけで、ポルノサイトのバナーとかを勝手に表示されて、例によって事態を良く理解していない警察に検挙されたりしないとも限らない。
おまけに、まだ、自分のバナーを登録する機能が不調で登録できない。あるいは、自分で他人のバナーを表示しまくって、他人が自分のバナーを表示する回数を意図的にあげる、という悪質なことにどう対抗するのかも解らない。
あの手この手で何とかインターネットでお金を儲けようという試みにはきりが無いが、はたして、この試みはうまくいくのだろうか？
(1) http://www.csj.co.jp/
(2) http://www.csj.co.jp/BX/[Back]
Ｌｉｎｕｘ（１）というものを聞いた事があるだろうか。
これは、Ｌｉｎｕｓという名の一フィンランド人学生がゼロから書き上げた、ＰＣ互換機上で動作するＵＮＩＸクローンである。ポイントはこれがフリーであること。しかも、単にフリーなだけではなく全てのソースコードが公開で、このためコアの部分以外はＬｉｎｕｓ以外の非常に多くの人間の共同作業として発展していることだ。その作業はすべてネットワークの上で行なわれており、まさにインターネット時代でなければ不可能だったプロジェクトと言えよう。「これが、一体、『事業』とどう関係するのか」と言うなかれ。このフリーなＵＮＩＸは今や非常に多くのプラットフォーム（２）の上に移植されつつあり、まさにクロスプラットフォームとして最適なものになりつつある。何故か？
まず、クロスプラットフォーム化が順調に進めば、機械に縛られることがなくなる。例えば、Ｍａｃの愛好者ならばＡｐｐｌｅの倒産は非常に大きな被害を受ける要因となるだろうが、Ｌｉｎｕｘは特定のハードの上にインプリメントされたものではないから、このような一私企業の動静からは無関係である。また、非常に多くの人間の共同作業であるため、開発組織がタフである。マイクロソフトの都合で次のバージョンが出なかったりなんてことはない。何より大事なのは、フリー、つまり、公的なものだから一私企業に依存せず、アプリケーション開発をすることができる。
今までのアプリケーション開発が「私道」の上の事業だったとすれば、Ｌｉｎｕｘの上でのアプリケーション開発は、「公道」の上の事業だと言えるだろう。肝心のユーザの数はまだウインテル系の１００分の１、に過ぎないそうだが、毎年、１０倍ずつ、ユーザの数が増えていると言う。もし、これが１０分の１まで伸びて来れば、十分アプリケーションを作って売ることで利益を得ることができるようになるだろう。実際、すでにＬｉｎｕｘ上で作動するシェアウエア／商用アプリケーションは多数存在し、利益をあげつつある。今年中にＬｉｎｕｘはブレイクして、ウインテルの追撃に入れるだろうか。そうなったら、とても面白いことになるだろう。さよなら、ビル・ゲイツ…
(1) http://www.linux.or.jp/
(2)ＰＣはもちろんのこと、ａｌｐｈａチップ上では既に実用になっている。
ＭａｃやＭｉｐｓ上でも移植が進行中である。
＊"UNIX is Linux Clone...."
は、ＤＥＣ上級幹部の発言。[Back]ﾊ
インターネットはもともと無料じゃないか、と言うなかれ。実際にはプロバイダや電話会社にお金を支払わなくはならない。一般の個人ユーザから見ればこれは「有料」である。しかし、テレビなどでは民放などは無料である。それに比べて「安い」アメリカですら、月５０００円程の経費は必要だ。インターネットが完全に無料になる日は来るのだろうか。
インターネットを無料で使わせるシステムとして有名なのはアスキー・インターネット・フリーウェイ（１）である。各種の報道などで既に詳細が告げられているので詳しい説明はしないが、専用のソフトを用いて、広告を常時掲示し、その代わりに無料で使わせる、というものである。
最初、この話を聞いた時には「こんなものは安かろう、悪かろうで機能しまい」と思っていたが、実際に使ってみると必ずしもそうではなかった。まず、思いの他、回線が重くない。勿論、重いことは重い。広告の画像データを毎分送りつける分、遅くなるし、やはりバックボーンが人数に比べて非力なのか決して早くはない。しかし、僕などは１４４００ｂｐｓという今では遅い部類のモデムで接続しているのだが、それでも使用に耐えないと言うほどではない。また、広告の掲示など煩わしいだけ、と思っていたが、最初に興味ある分野を登録するせいか、意外に、「お、ここはおもしろそうだな」と思えるサイトを広告してくれる。
まあ、ここまでは、それほど予想外ではなかったのだが、更に驚くべき事に一部、インフラの逆転現象が始まっているようなのである。逆転現象、とは、有料のプロバイダより、アスキー・インターネット・フリーウェイの方がインフラが充実している部分がある、ということなのだ。具体的にはそれは「電話回線の数」である。ＮＴＴのテレホーダイの導入以降、テレホーダイ開始時間と共に、電話が話中で繋がらなくなる、という現象が良く見られるが、アスキー・インターネット・フリーウェイでは話中が少ないのだ。これは良く考えたら当然で、有料のプロバイダは普通、基本料金として一定の月額を徴収しているから極端なことを言ったら全然繋がらなくても収入がゼロにはならない（まあ、本当にそうなったら、裁判が起きるか、加入者がゼロになるかするだろうが）。一方、アスキー・インターネット・フリーウェイではとにかく、電話して貰って、広告を見て貰わないと話にならないから（２）、話中が多くなれば「お客を逃す」ことになるから、必死で電話回線を増強することになる。この結果、アスキー・インターネット・フリーウェイの方が金をとっているプロバイダより電話回線の増強に熱心、ということになる。
現在は、電話回線でのみインフラが「逆転」しているわけだが、これは他のインフラにも及ぶ可能性がある。例えば、バックボーンの太さの問題だが、アスキー・インターネット・フリーウェイで掲示される広告はごく小さなものでバナーの大きなものという程度である。したがって、詳細を見るためにホームページを訪れることになるのだが、その時、肝心の広告主のホームページへのアクセスが遅くては話にならないから、バックボーンも増強する可能性がある。実際、体感的には国内より海外の方が特に接続が細いようだ。これはひょっとすると、海外には広告主がいないので海外のホームページの掲示が重くても、広告主から文句が来ないせい、というのはうがった見方だろうか。
アスキー・インターネット・フリーウェイに広告掲示ソフトを供給しているｈｙｐｅｒｎｅｔ（２）の広告料はこの４月から値下げになるそうだ（３）。もし、これが事業がうまく行っていて単価を下げることが出来るようになったためだとすれば（逆で、広告料が高すぎて広告主が逃げたため、という可能性もあるが）、広告を用いた無料プロバイダは更に増える事になるだろう。最終的には無料を越えて、電話代を負担してくれたり（フリーダイアルを使えばいい）、あるいは報酬をくれたりするようになるかもしれない。つまり、インターネットに接続すると「報酬」が貰えるわけだ。
「そんな馬鹿な！」と言うなかれ。既に「広告を見て報酬を貰おう」というサイトは存在するのだ（４）。これと無料プロバイダが合体すれば「報酬を貰えるプロバイダ」は現実に存在できる。
国策としてインターネットのインフラをどうにかしようという動きが乏しい日本では、こちらの動きが先行して、個人ユーザのインターネットのインフラ整備の牽引車になって行く可能性も無視できない。
(１) http://www.aif.or.jp/
(２)
広告主は広告の掲示回数に比例して広告料を支払う契約。http://www.hypernet.co.jp/home_j/hs/hs.htm
(３) インターネットウオッチ：２／１７号
(４) http://www.armz.co.jp/webcm/[Back]ﾊ
ニュースレターＮｏ．３３で「インターネット熱はなぜ、さめつつあるのか」と題して分析を書かせて戴いたが、今一つ理解されなかったようなので、補足記事を書かせて戴く。つまり日本の状況がいかに遅れているかという点の強調が足りなかった。末尾に「ＯＣＮなどでお茶を濁している場合ではない」と書いたが、具体的にＯＣＮの何が問題かみてみよう。現在、ＯＣＮには関連ホームページ（１）が開設されており、また、そこには見当たらない情報の補足としてスーパーアスキー３月号の記述を参考にした。
まず、ここで論じるのはあくまで、一般家庭や個人がインターネットにアクセスするための足場としてのＯＣＮである。それが普及しなければ市場の拡大も望めず、したがって、投資もなく、よって、技術の開発もなく、アメリカの後塵を拝し続けることになる、と思うからだ。個人がインターネットにどれ位アクセスし易くなるか、またそれにＯＣＮがどれ位貢献できるか、を議論する。
「個人」となると、ＯＣＮの中でも低価格の２種、ダイアルアップとＯＣＮエコノミーが対象だろう。前者は、通常のプロバイダの料金体系を踏襲しており、料金的にもプロバイダの平均的な料金に比べて全然安くないので存在意義は薄い（２）。
エコノミーの方はどうか。こちらは月額３万８千円であるから、価格的にはひどく高いがこちらは常時接続の専用線であり、意味が全く異なる。つなぎっぱなしとなれば利用形態は大きく変化し、使う人間が増えれば、価格も下ることが期待できる。
しかし、問題は性能である。ＯＣＮエコノミーのバンド幅は１２８ｋｂｐｓで「ロクヨン、ロクヨン、イチニッパ」で有名なＩＳＤＮと同じ幅でしか無い。勿論、つなぎ放題だし、バンド幅だけで性能が決まるものでもないから一概には言えない。しかし、問題はその先だ。これはホームページからの情報ではなく、スーパーアスキーからの情報なので未確認だが、なんと１２８ｋｂｐｓを「２４人で」共用するらしいのだ。１２８／２４＝５．３３３３３、である。これは一世代前のモデム１４４００ｂｐｓの１／３強である。これは何を意味するか？
結局、モデムでつなぎ放題にしたのとたいして性能が変わらない可能性がある、ということだ。そして、ニュースレターＮｏ．３４「＜ただ乗り＞インターネット ｉｎ Ａｍｅｒｉｃａ」にあったように、アメリカでは「モデムでつなぎ放題」は既に実現しており、それが月額５千円以下だ、ということだ。単純に考えると、ＯＣＮエコノミーはアメリカの８倍近い高価格の代物になる可能性がある。しかも、これすらまだ始まっていないことなのだ（始まったが、アクセスポイントがまだ非常に限られている）。
「＜ただ乗り＞インターネット ｉｎ Ａｍｅｒｉｃａ」の最後は「しかし、”ただ”にならないまでも、ＯＣＮ等で格安のアクセス料金が実現し、実家の両親と毎日Ｅ−ｍａｉｌで連絡しあえるようになることを願ってやみません。」とあるが、現状ではその望みは薄い、と言わざるを得ない。
なお、これはあくまで「個人ユース向けの」サービスとしてのＯＣＮについての議論であり、ＯＣＮのより高価格帯の企業向けのサービスについては何も論評してない。したがって、ＯＣＮ自体の意義について云々するものではないことを明記しておく。願わくば、私のこの記事自体にも誤りがあり、ＯＣＮは本当に安いのだ、ということにならんことを祈っている。
（１） http://www.ocn.ne.jp/
（２）月額２３００円（１５時間まで）＋ 超過分９円／分。しかも電話料金は別。大手のプロバイダの値段であり、価格的にはずっと安いものがいくらでも存在する。[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
最近、インターネット熱が冷めつつある、と皆感じつつあるのではないだろﾊ
うか。インターネット熱、といっても、事実上はＷＷＷ熱、あるいは、ホームﾊ
ページ熱、といったものだったわけだが、現在、その熱気は急速に冷めつつあﾊ
る。インターネットをネタにしたわりと大手の雑誌が２誌、あいついで休刊をﾊ
決めたことにもそれは現われている。ﾊ
インターネット熱、つまり、ホームページ熱はどうして冷めつつあるのだろﾊ
うか。ホームページ熱のかなりの部分は「こんな新しいことができる」というﾊ
技術に先導された部分が大きかった。最初は、色つきのカラフルなデザインのﾊ
媒体を個人が手軽に発信できるという事実、次に、掲示板やＷＷＷチャットのﾊ
ようなインタラクティブ性（つまり、ＣＧＩやＳＳＩ）、そして、最後にプラﾊ
グインで代表されるマルチメディア的な情報伝達。これら新しい技術が導入さﾊ
れる度にホームページは活況を呈し、アクセス数は増え、更に話題性が増して、ﾊ
というフィードバック機構が成立することにより、興味と熱気を維持してきた。ﾊ
この陰にあったのは、実は、「データ転送の速度の向上」だったのだ。ホーﾊ
ムページブームは、１４４００ｂｐｓという高速のモデムが数万円で手に入るﾊ
ようになったことを抜きには考えられない。その後、インタラクティブ性やプﾊ
ラグインの登場に合わせて２８８００ｂｐｓのモデムからＩＳＤＮというようﾊ
にデータ転送速度は一気に向上した。ﾊ
しかし、ここに来てデータ転送速度の向上技術の進歩は止まってしまった。ﾊ
動画をリアルタイムで転送できるプラグインはいくつも開発されているが、デﾊ
ータ転送レートが上がらなければ、実効的に使うことは不可能だ。つまり、デﾊ
ータ転送レートの進化が停止することで新たなテクノロジーの導入が停止し、ﾊ
その結果、話題性を維持できなくなりつつある。ﾊ
「技術に引っぱられた進化など内容無き進化なのだから進化しないほうがいﾊ
い」という向きもあるかもしれないが、ＣＧの投入だけを目玉にして活況を呈ﾊ
しているハリウッド映画の現況を見るまでもなく、大衆性のあるメディアは常ﾊ
に進化しつづけなければ飽きられてしまう。テレビの低迷が言われて久しいが、ﾊ
これとて「テレビ」というメディアが技術として飽和してしまったことと無関ﾊ
係ではないだろう（だから、目新らしそうなＷＯＷＷＯＷとかハイビジョンとﾊ
か多チャンネル衛星放送とかが注目を浴びるのだ、前者２つは幻想に終わってﾊ
しまったけれど）。技術的に進歩しているからと言って、必ずしも活況を呈すﾊ
るわけではないが、それ無しには活況を呈することはできない。おりしも海のﾊ
向こうの大国では国家元首自ら「１２歳で全国民がインターネットにアクセスﾊ
できること」を国家目標として宣言したという。また、彼が指名した後継者はﾊ
情報ハイウエイの構想者である。彼我の差はあまりにも大きい。ﾊ
今のままなら後世の歴史家は去年あたりを中心にしたプラスマイナス５年間ﾊ
のどこかに線を引いて「ここが日本が情報国家になり損ねた始まりだ」と指摘ﾊ
するだろう。ＯＣＮなんぞでお茶を濁している暇は無い。ﾊ
こうなったら、孫正義氏にでも首相をやってもらうしかないのだろうか。
[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
本学では現在、学部一年生向けにネットワーク教育を行うための試行講義とﾊ
して希望者にネットワーク教育を行っている。これは、学部一年生がメニューﾊ
的に選択できる科目の一項目として設けられたものであり、あくまで希望者のﾊ
みの選択授業である。将来的には全学生が受けられるものにする予定であり、ﾊ
従来からあった「計算機を使うための」情報処理教育とは別個に、「ネットワﾊ
ーク時代の」教育を主眼としたものである。ﾊ
時間数は９０分×６コマ＝９時間である。９時間もあればかなりのことがでﾊ
きそうな気がするかもしれないが、実際には、ＵＮＩＸを使うことさえ初めてﾊ
の学生相手、一週間に一回という間延びした授業であり、必ずしも十分な時間ﾊ
とは言えない。現実にはエディタの使い方から始まって、電子メール、ＷＷＷﾊ
をやったくらいで時間が過ぎてしまうことだ。ﾊ
意外だったのは、思いのほか消極的な学生が多く、講義時間外も端末を開放ﾊ
したにもかかわらず、実際には、非常にわずかの学生しか時間外には使わなかﾊ
った。こちらとしては、少数の学生に限った選択授業であることもあり、ハッﾊ
カー並みの学生さえいるのでは、と思っていたのだが、少々拍子抜けだった。ﾊ
ハッカーまがいの学生はいまさらこのような授業はとらないのか、あるいは、ﾊ
ハッカーになるほどの学生は受験勉強ができなくて、本学のような「偏差値のﾊ
高い」大学には入学できない、ということなのか、とにかくちょっと期待はずﾊ
れな学生の反応だった。ﾊ
まあ、いずれは全学生相手の講義になるのだから、ハッカーなどいない方がﾊ
試行としては良かったのかもしれないが。期待し過ぎだっただろうか。
[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
ここにきてプロバイダ淘汰合戦も激しさを増している。料金体系としては、ﾊ
つなぎ放題で年額２万円、あるいは従量制で一分３円がほぼ下限のようでこれﾊ
以下のところはあまりないようだ。最近では値段では差別化が難しくなり、他ﾊ
のサービスの充実を図ることが多い。特に目立つのはホームページの大きさがﾊ
数十メガバイトにまで大きくなっているプロバイダの出現だ。ほとんどのユーﾊ
ザがモデム越しの遅い回線でアクセスしていることを考えると、ほぼ、限界のﾊ
大きさで、この部分での差別化も早晩不可能になるだろう。他の差別化としてﾊ
は、ｓｈｅｌｌの解放、ＣＧＩ、ＳＳＩなどがあるが、次第に横並びに近づいﾊ
ている。最後の大物ＩＩＪが個人向けを開始、ＯＣＮも立ち上がるとなると、ﾊ
もはや、サービスでの競争は不可能だろう。ﾊ
そこで、今、流行なのは「有料コンテンツ」の増加である。つまり、見るのﾊ
に課金されるサイトである。「ｂｉｇｌｏｂｅ」ではパソコン通信会員のＩＤﾊ
で課金しているが、いさささか繁雑で見るのが面倒になる。「ｓｏ−ｎｅｔ」、ﾊ
「ｒｉｍｎｅｔ」などのメジャーなプロバイダも、まだ課金していないにせよ、ﾊ
コンテンツの充実に努めているが、まだ、商売になるレベルにはほど遠いようﾊ
だ。僕自身、とあるパソコン雑誌でホームページの独自コンテンツの原作者とﾊ
して一年半ほど活動したが、必ずしも盛況、というわけにはいかなかった。まﾊ
して、金を払ってまで見に来るほどの価値があるものが出てくるか、となるとﾊ
かなり苦しい段階だろう。ﾊ
予想通り、というべきか、ＷＷＷサイトに対する熱意は冷めつつあり、「商ﾊ
売に結び付いた」という例はまだ聞かない。ここ数年は高原状態が続き、各関ﾊ
係者は苦しい対応、つまり、持久戦を強いられるだろう。この持久戦を耐え抜ﾊ
いて生き残るプロバイダは、電話局のような回線提供者なのか、マスコミのよﾊ
うなコンテンツ提供者なのか、あるいはサイバーモールのような小売業なのだﾊ
ろうか？ﾊ
主観的には、何か実社会で既に動いているものとの連携が必要ありそうな感ﾊ
じがする。コンビニでソフトを売り始めたゲーム機、のような。まだ、それがﾊ
何かは判らないが。 [Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
良く言われることに、「ＷＷＷ」は屑の集まり、とか、本当に必要な情報にﾊ
対してノイズが多すぎる（Ｓ／Ｎ比が小さい）とか言われている。ﾊ
この問題を少しでも解決したい、というのが、ディレクトリ・サーバやサーﾊ
チ・エンジンと呼ばれる物である。前者の代表は、Ｙａｈｏｏ、後者の代表はﾊ
Ａｌｔａ Ｖｉｓｔａ（最近はｉｎｆｏｓｅｅｋ ｕｌｔｒａの方がすごいよﾊ
うだ）である。前者は様々なホームページを分野別にまとめたもの、後者はホﾊ
ームページの内容を自動的にデータベース化して、内容を検索できるようにしﾊ
たもの、である。ＷＷＷが世界中に散らばった「本」のようなものだとすれば、ﾊ
前者は「目次」後者は「索引」にあたるだろう。ちょっと前まではＷＷＷといﾊ
うといきあたりばったりに中身を読んで歩くネットサーフなる行為がメジャーﾊ
だったが、現在はこの「目次」と「索引」のおかげで、目的を持ってＷＷＷをﾊ
閲覧できるようになって来た。ﾊ
自分のホームページへのアクセスを見ると、意外なことに「目次」より「索ﾊ
引」の方が伸びて来ている。ほとんどのディレクトリ・サーバは登録されたペﾊ
ージに限った「索引」を供給しているが、ディレクトリ・サーバからのアクセﾊ
スも直接分野別一覧から来るのではなく、「目次の索引」経由のアクセスが増ﾊ
えて来た。これは「目的をもって」（調べたい事があって）ＷＷＷにアクセスﾊ
する人が増えて来たことを示すのだろう。ﾊ
かえすがえすも残念なのは、ＷＷＷを記述するのに採用されたＨＴＭＬは、ﾊ
本来、文章の構造を明確にし、「見出し」「小見出し」「本文」と言った階層ﾊ
構造で内容を解りやすく表現する筈の物だったのに、Ｎｅｔｓｃａｐｅのおかﾊ
げで、デザイン重視の文字装飾の道具になり下がってしまったことだ。もし、ﾊ
ＨＴＭＬの当初の目的が継承されていればサーチ・エンジンはずっと巧く機能ﾊ
しただろう。ある単語（例えば、二酸化炭素）について知りたいときその単語ﾊ
が見出し語なのか、文中の単なる単語なのかの違いは大きい。しかし、拡張さﾊ
れたＨＴＭＬでは見出し語が見出しとして扱われず、単なる「大文字」としてﾊ
扱われることが多いようである。これは、ＷＷＷの文書としての価値を損なっﾊ
ている。ﾊ
これからは他人からアクセスされることを目的に、「見ため」でなく、サーﾊ
チ・エンジン向けのタグ（人間には見えないが、サーチ・エンジンやブラウザﾊ
は見ることが出来るような情報）の開発が大切になるだろう。その成功如何で、ﾊ
ＷＷＷはゴミであり続けるかどうかが決まるだろう。タグを悪用してアクセスﾊ
を増やすために「全裸」とか「ヘアヌード」とかいう目に見えないが検索にかﾊ
かりそうなタグを埋め込む技もあるそうだが、これなど最低のモラルといえよﾊ
う（まあ、そんな単語で検索する方もする方だが）。見ためではなく、中身がﾊ
しっかりしたＷＷＷが増えることを願って、今年の年頭のレポートにしよう。ﾊ
来年もＷＷＷは存在するだろうか？それとも、死滅しているだろうか？一年後ﾊ
を楽しみにしよう。ﾊ
ﾊ[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
私の個人ホームページの一部がシャープ製のインターネットテレビのスターﾊ
トページであるＩｎｔｅｒＴＶ（１）に登録されている。ﾊ
インターネットＴＶを購入した人は、どれくらいＷＷＷを見るものなのか、ﾊ
自分のホームページへのアクセスを見ていれば、ある程度測ることが出来る。ﾊ
結論から言ってしまえば、当該ホームページからのアクセスは非常に少ない。ﾊ
１日に１件あるかどうかだ。マスコミでは、インターネットＴＶを盛んに取りﾊ
上げているが、購入した人は、ＷＷＷアクセスを実際にはあまりせず、「このﾊ
テレビはインターネットにつながるんだよ！」とお客に自慢するだけのために、ﾊ
いわばステイタスシンボルとして購入しているだけなのかもしれない。ﾊ
まぁ、僕のページがすごくつまらなくて、誰もアクセスしない、という可能ﾊ
性は否定できないが…。ﾊ
(1)http://www.intertv.or.jp/webnavi/word/eco/eco.html
[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
１２／６（金）、学芸大学附属高校理科の授業に連携して、インターネットﾊ
を介してＣＵ−ＳｅｅＭｅで高校生向けに遠隔講義を行なう、という試みを行ﾊ
なった（１）。学芸大学は、文部省とＮＴＴなどが行なっている小中高にインﾊ
ターネットを接続する実験プロジェクト「１００校プロジェクト」の参加校でﾊ
あり、この３月のプロジェクト終了に向けての催しの１つとして遠隔講義が行ﾊ
なわれた。とはいうものの、実際には、講義の依頼は２週間前に行なわれ準備ﾊ
に十分な時間はとれなかった。ﾊ
また、当初ＣＵ−ＳｅｅＭｅを用いた遠隔講義を予定していたが、附属高校ﾊ
−東工大間の接続になんらかの問題があり、附属高校から東工大には映像が送ﾊ
れるが、逆が不可能、という事態を解決する時間的余裕がなく、事前に附属高ﾊ
校に出向き、ＣＵ−ＳｅｅＭｅによる授業を想定した講義のビデオ撮影を行なﾊ
い、そのビデオ映像を流すにとどまった。当日は、授業の様子を東工大側からﾊ
見ることが出来たが、生徒の側からすれば、教育テレビの番組を見ている程度ﾊ
（あるいはそれ以下）の感動しかなくて物足りなかったと思う。このような試ﾊ
みが簡単に行なえるよう、インフラが整備されることを切に望むものである。ﾊ
また、高校側でも理科教師が片手間にネットワークのハード／ソフトの管理ﾊ
を強いられているようで、非常に負担感が強いようだった。人的な支援体制のﾊ
充実も急務であることを強く感じた。ﾊ
(1) http://www.gakugei-hs.setagaya.tokyo.jp/seminar.html
[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
サイエンス１１月２９日号にインターネットと科学の関係について警告するﾊ
論文が掲載された。良く知られているように、欧米では研究者間の競争が激しﾊ
く、その競争は権威ある学術雑誌に論文がどのくらい掲載されたか、で争われﾊ
る。権威ある学術雑誌に論文を掲載するには、その分野の専門家のレフェリーﾊ
（掲載価値があるかどうかの判断）をパスしなくてはならない。レフェリーもﾊ
人の子。知り合いで、過去にいい研究をしたことが分かっている人物にはどうﾊ
しても判定が甘くなる。このため、例えば、権威ある学術雑誌をたくさん刊行ﾊ
している欧米の研究者にくらべて、日本を含むアジアの研究者は論文を載せてﾊ
もらいにくい、という問題が昔から指摘されていた。これに対し、インターネﾊ
ットが発達すると、地理的な問題より、専門の近さが問題になる。専門家同士ﾊ
のメーリングリストが出来、その仲間の中だけでレフェリーしあって論文を推ﾊ
薦しあうので、一種の閉鎖集団が形成されてしまう可能性がある。実際、これﾊ
は僕自身でも経験があり、海の向こうの会ったこともない研究者でも電子メーﾊ
ルなどで知り合っているとどうしても甘いレフェリーをしてしまう。僕自身もﾊ
甘いレフェリーをしてもらったことが皆無とは言えない。ﾊ
サイエンスの記事の結論は研究者の評価方法そのものを変えて、同じテーマﾊ
の論文を書き続ける研究者を評価するのをやめて、幅広いテーマで研究するこﾊ
とを推奨しよう、ということだ。インターネットがあれば、学部や大学の壁をﾊ
越えて情報を得ることが容易になり、分野の壁を取り払うことも可能になるかﾊ
らだ。これもまた、僕自身思い当たる節がある。僕は物理学者だが、最近は、ﾊ
進化や種分類といった生物学的なテーマに興味を持っており、インターネットﾊ
を介すると、居ながらにして最新情報を得ることが出来る。たいへん素晴しいﾊ
経験だった。ﾊ
サイエンスの記事では、「今はまだ、インターネットを用いて、閉鎖集団をﾊ
鼓舞するか、幅広い分野間の交流を推進するか、の選択の大事な時期にある」ﾊ
と結ばれている。どちらを選ぶのかは、我々自身、ということだ。果たして、ﾊ
１０年後はどちらが選ばれたことになっているのだろうか？個人的な希望としﾊ
ては後者なのだが…。ﾊ
＊朝日新聞１１／２９付け朝刊３７面ﾊ
http://www.sciencemag.org/science/scripts/display/full/274/5292/1479.html?alt[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
インターネットのホームページは「リンク」を張って他の情報に素早くアクﾊ
セスできる事が大切である。しかし、現実には張られたリンクは一方的なものﾊ
であるために、リンク先が無くなってしまったり、あるいは、移動してしまっﾊ
たりでリンクが無効になってしまうことがある。これをＤｅａｄ Ｌｉｎｋとﾊ
いう。ﾊ
Ｄｅａｄ Ｌｉｎｋの存在自体は仕方が無いし、また、リンク先が無くなっﾊ
てしまえば、どうしようもないし、また、リンクの移動先が解らない場合にもﾊ
どうしようもない。しかし、移動する側が「××に移動しました」と掲示してﾊ
あってもリンク先を変更しない事があまりにも多い。ﾊ
この度、自分で運営している個人的なホームページを移動して半年程が過ぎﾊ
たが、旧ページにリンクを張ってくれていたページで自主的に新しいリンク先ﾊ
（旧ページに掲示してある）に変更してくれたサイトは皆無に近かった。これﾊ
は、個人のサイトに限らず、メジャーなディレクトリ・サーバであっても事情ﾊ
は同じだった。ﾊ
個人的には旧ページの維持にお金を払い続けているが、早く引き上げたいのﾊ
でこれはかなり迷惑な話だ。それとも、変更通知は、作成者側の義務なのだろﾊ
うか？結局、サーチエンジンでリンクを張ってくれているサイトを探しだし、ﾊ
ウエッブマスターに通知のメールを送る羽目になった。ﾊ
リンクを張る、という行為が作成者側に何らかの負担を強いる可能性があるﾊ
ことはあまり議論されていないようだが、将来はどうなって行くのだろうか？[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
インターネットによって各種のメディアが淘汰される、と言われて久しい。ﾊ
例えば、「印刷物は消滅する」といった極論もあるが、実際には、書籍などはﾊ
インターネットで完全に代替するのは当分難しいだろう。これに対して、定期ﾊ
刊行物である新聞、雑誌などはかなりインターネットで代替できる可能性があﾊ
る。中でも、いわゆる「学術雑誌」といわれる範疇のものは、インターネットﾊ
で完全に代替される可能性が無視できなくなりつつある。ﾊ
コンピュータで文書を読む際の難点として、「寝転がって読めない」などとﾊ
いう点が良く指摘されるが、主に論文が掲載される学術雑誌では、「寝転がっﾊ
て読みたい」という要望は少なかろう。また、現実問題として、学術雑誌の利ﾊ
用のされ方は「必要な部分を複写して手元におく」というのが主であり、デジﾊ
タル化された学術論文をＷＷＷとしてアクセスし、必要な部分はプリントアウﾊ
トし、それほど必要でないものはリンクを張っておく、というのはいいやり方ﾊ
だ。また、学術雑誌は、本来、営利的な目的の存在ではないから、ＷＷＷで、ﾊ
無料公開するというのは理念的にも理にかなっている。実際、私自身、目次をﾊ
見るためだけに図書館に行き、おもしろい論文があった場合だけ複写する、とﾊ
いうやりかたをとっていたが、今はそういうこともしなくなってしまった。ﾊ
さて、現実に学術雑誌がＷＷＷにどうとりくんでいるか？ﾊ
有名なところでは、Ｎａｔｕｒｅ，Ｓｃｉｅｎｃｅといった学術雑誌がある。ﾊ
これらは、目次や概要はすでにＷＷＷでアクセス可能になっている。ﾊ
これに加えて、Ｎａｔｕｒｅでは、一部の記事の概要の日本語訳の提供を、ﾊ
Ｓｃｉｅｎｃｅでは一部の記事の全文提供をＷＷＷ上で行なっている。ﾊ
また、Ｅｌｓｅｖｉｅｒのような大手の学術雑誌出版社ではすでに全刊行雑ﾊ
誌の目次をまとめて公開している。より専門的な雑誌になるとどうしても物理ﾊ
の分野に偏ってしまうが、例えば、日本物理学会の刊行する英文学術雑誌は、ﾊ
レターと呼ばれる短いレポートの全文を公開しているし、Ａｓｔｒｏｐｈｙｓﾊ
ｉｃａｌ Ｊｏｕｒｎａｌは全テキストを無料公開している。有料公開していﾊ
る雑誌には、Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｉｎｓｔｉｔｕｔｅ ｏｆ Ｐｈｙｓｉｃｓﾊ
刊行のいくつかの雑誌（Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗ Ｌｅｔｔｅｒｓなﾊ
ど）やＥｕｒｏｐｈｙｉｓｃｓ Ｌｅｔｔｅｒなどがある。ﾊ
先のことは解らないが、この状況は、将来の雑誌とホームページとの関係をﾊ
先取りしていると見れないこともないと思う。[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
ホームページが盛んになるにつれ、いろいろな２次的な性質のホームページﾊ
が出てくる。ﾊ
今やもっとも有名なホームページ、というべきｗｗｗ．ｙａｈｏｏ．ｃｏｍﾊ
などもカタログするに足るだけのホームページがあって初めて成立するものにﾊ
他ならない。これほどホームページが増えてくると、自分が興味をもっているﾊ
サイトが更新されたかどうかチェックするだけでも大変だ。ﾊ
Ｔｈｅ ＵＲＬ−ｍｉｎｄｅｒは、この問題を解決してくれる。自分が興味ﾊ
のあるサイトを登録するとそのサイトが更新されたらメールで教えてくれるのﾊ
だ。Ｔｈｅ Ｉｎｆｏｒｍａｎｔは、もっと進んでいる。興味のあるサイトをﾊ
教えてくれるだけでなく、キーワードを登録しておくと、そのキーワードにひﾊ
っかかるサイトが新たにＡｌｔａｖｉｓｔａやＹａｈｏｏに登録されると、メﾊ
ールで教えてくれるのだ。後者などＡｌｔａｖｉｓｔａやＹａｈｏｏの存在がﾊ
前提の３次的なサイトと言えるだろう。ﾊ
今のところ、両サービスとも無料のようだ。サイトの主催者がどういう利益ﾊ
を得るのかまったく解らない。しかし、Ｙａｈｏｏだって、最初は趣味から始ﾊ
まったのだ。これも事業になっていく可能性はあるかもしれない。ﾊ
(1) http://www.netmind.com/URL-minder/ﾊ
(2) http://informant.dartmouth.edu/[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
この世には「分類サーバ」というものがある。ﾊ
Ｙａｈｏｏなどがその典型だが、登録の依頼があったホームページを、どうﾊ
分類するかは分類サーバの主催者の判断に任されている。勿論、費用を支払っﾊ
て、サーバを立ち上げているのは主催者だからそのポリシーに文句を言うことﾊ
はできないだろう。しかし、分類サーバもこれほどアクセスが増えてくると、ﾊ
それなりの「社会的責任」が生じてくるのではないだろうか。ﾊ
例えば、どういう順番で登録するか、で、登録されたホームページのアクセﾊ
ス頻度は変わってくる。普通に考えれば、分類サーバの先頭に登録されたホーﾊ
ムページがアクセスしやすいだろう。企業のホームページなどなら、アクセスﾊ
数が有意に違えば、将来的に問題になるかも知れない。あるいは、あきらかにﾊ
嘘が書いてあるページを正しいこととして分類してしまった場合にも、分類サﾊ
ーバの主催者には責任はないのだろうか？ﾊ
これほど、極端な例ではないが、ある種の問題はすでに起きている。ﾊ
ｎｅｔｐｌａｚａ 環境・自然科学／自然科学（１）では、オカルトとまとﾊ
もな科学のサイトが区別なく「自然科学」と分類されている。権威あるサイトﾊ
がこのような分類を行うと疑似科学と科学の区別がつかない人が多数出てくるﾊ
のを助長するかもしれない。ﾊ
このサイトの主催者はどう思っているのだろうか？是非、意見を聞いて見たﾊ
いものだ。(1)
http://netplaza.biglobe.or.jp/index/environment/natural_science-2.hﾊ
[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
今回の選挙では、複数のホームページで選挙速報が行われた。リアルタイムﾊ
で選挙結果をｕｐｄａｔｅし続けるのである。ﾊ
他にもあったとは思うが、今回は、朝日新聞のサイト（１）とフジテレビのﾊ
ニュースサイト（２）にアクセスしてみた。ﾊ
基本的な情報は、小選挙区、比例区に分けて情報が掲示されるようになってﾊ
いる。この点は共通だ。ただ、いろいろインターフェースに違いが見られ一長ﾊ
一短だった。まず、朝日のサイトは非常に良くできている。つくりも得票数をﾊ
棒グラフで表わすなど、テレビに近い作りだ。また、開票結果のグラフに記さﾊ
れている候補者名をクリックすると、写真と経歴が出るなど、ＷＷＷの利点をﾊ
うまく利用した作りになっている。また、さすがに歴史が長いだけあって、アﾊ
クセスも軽く、待たされることが無かった。ﾊ
一方のフジのニュースサイトの方は、フレームこそ使っているものの、文字ﾊ
中心。アクセスも重く、７時台、８時台は非常に待たされる状態。また、メニﾊ
ューの代わりにｃｇｉを使って見たい選挙区を選ぶようになっているのだが、ﾊ
これが８時台位まではアクセスが不調。バグがあったのか、混んでいるのか。ﾊ
こう書くと、朝日の方が評価が高そうに思えるが、ただ１点で、フジの方がﾊ
優れていた。それは、朝日には、「全体の集計」の欄が無かったのだ。現在、ﾊ
自民が何議席、共産が何議席、という例のやつだ。これだけのためにフジの方ﾊ
が見やすい、という印象を与えてしまう。１０時台にはアクセスも改良され、ﾊ
フジの方がぐっと使いやすくなった。ほんのちょっとしたユーザインターフェﾊ
ースの違いで、使い勝手が驚くほど違ってしまうことを思い知らされた。ﾊ
最後に、テレビがあるのに、「速報」に何の意味があるか？という点だが、ﾊ
それは自分で情報がとってこれる、ということだろう。つまり、いつでも好きﾊ
なときに好きな選挙区の速報が見れる。テレビでは、自分が興味のある選挙区ﾊ
の情報が流れるまで待っていなくてはならない。そういう意味では、将来起きﾊ
るであろう、インターネットとテレビの「棲み分け」を象徴していた。ﾊ
いずれ、テレビでは当選の喜びなどを流すほうが主になり、「詳細はインタﾊ
ーネットでお調べください」ということになって行くだろう。ホームページでﾊ
当選の喜びなどのムービーも流していたようだが、とても見る気にはならなかﾊ
った。次回の総選挙でどうなるか、楽しみである。ﾊ
(1) http://www.asahi.com/senkyo/result/index.html)ﾊ
(2)http://www.fnn-news.com/senkyo/real/real_frame.html[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
現在インターネット上ではさまざまなデータベースが無料公開されている。ﾊ
ホームページのすべてのコンテンツのデータベース化を目指すＡｌｔａｖｉｓﾊ
ｔａなどもそうである。このほど、朝日新聞の記事全文が検索できるデータベﾊ
ースが公開期間未定とはいえ無料で公開された。ﾊ
検索結果は、ﾊ
〜検索結果として表示した記事及びＤｉｇｉｔａｌ Ｎｅｗｓ Ａｒｃｈｉﾊ
ｖｅｓのデータは、著作権法により保護されています。複製、翻訳、翻案、ﾊ
出版、販売、送信、配布及び改変など、朝日新聞社の権利を侵害する使用はﾊ
一切できません。さらに、第三者のプライバシー、名誉その他の一切の権利ﾊ
を侵すような使い方もできません。〜ﾊ
と書かれているが、これは事実上、無意味になっている。検索コマンド自体もﾊ
ＵＲＬには変わりなく、これを自分のホームページにリンクとして埋め込んでﾊ
しまえば、事実上、コピーをもっているのと同じだからだ。ﾊ
例をあげよう。例えば、拙著「砂時計の七不思議」が朝日新聞の記事の中でﾊ
触れられたことを宣伝したいとしよう。ここでもし、朝日新聞の記事自体をタﾊ
イプしてホームページに載せればこれは「著作権法違反」である。しかし検索ﾊ
コマンド自体を埋め込んでしまえば、「毎回検索をして結果を表示している」ﾊ
のだから著作権法違反ではない。ちなみに拙著が触れられている部分をリンクﾊ
化するには、ﾊ
http://kensaku.asahi.com:1080/cgi-bin/senkyo_srch?cmd=detail&/tmp/dnasAAAa00ﾊ
6xK&1&1&1&0A&00727221ﾊ
というお呪いのような記号列を埋め込めばいい。これはもともとの検索画面、ﾊ
http://kensaku.asahi.com:1080/senkyodna.htmlﾊ
で検索を行った結果、表示される画面のＵＲＬ（通常のブラウザなどでは、Ｌﾊ
ｏｃａｔｉｏｎなどと表示されている部分）をカットアンドペーストしたものﾊ
である。ちなみに私自身のホームページ（１）の拙著「砂時計の七不思議」のﾊ
リンクの脇に「朝日新聞○○にて紹介！」と書いてあるリンクに、データベーﾊ
スの直接引用リンクが埋め込まれている。実際に私のホームページを見て頂いﾊ
て体験して頂きたい。このリンクが検索コマンドを毎回実行しているというこﾊ
とは実感として感じられず、そのデータ（検索結果）そのものが置かれているﾊ
ように見えるはずだ。ﾊ
検索結果をコピーしてハードディスクに蓄え、再公開すれば著作権法違反。ﾊ
検索コマンドを直接埋め込めば著作権法に触れない。しかし、事実上、後者のﾊ
方が「リンクが辿られる度にデータベースの計算機に負担がかかる」（毎回、ﾊ
検索コマンドが実行されるのだから）という意味で明らかにデータベースの所ﾊ
持者に迷惑がかかっている。ﾊ
何かおかしいのではないだろうか？ﾊ
さらに、このデータベースをＡｌｔａｖｉｓｔａのような自動検索エンジンﾊ
が訪れて、全文をデータベース化してしまったらどうなるのだろうか？現在、ﾊ
自動検索エンジンが他者のホームページの内容を全文データベース化するのはﾊ
著作権には触れない、と理解されているようだ（文章そのもののコピーではなﾊ
いから）が、このようなデータベースを無料公開している場合も、内容をすべﾊ
て全文検索可能なデータベースにしてもいいのだろうか？非常に大きな問題をﾊ
引き起こすのは目に見えている。ﾊ
（注）自動検索エンジンでデータベース化されるのを拒否することは（慣習とﾊ
して）現在でも可能であることを申し添えておく。[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
私がアメリカに持っているレンタルサーバーには主なページが２ページある。ﾊ
コンピュータ雑誌に連載している科学解説のＷＷＷ版（和文）と、粉体関係のﾊ
学術サイト（英文）である。前者には４０／日、後者には２０／日、くらいのﾊ
訪問者がある。決して数字的には多いとは言えないが、数カ月に一度しか更新ﾊ
されないページにこれだけの訪問者がある。一体、これらの人々は、どういうﾊ
理由でこれらのページを訪れるのだろうか？最初、考えたのは各種のディレクﾊ
トリサービス（ｙａｈｏｏの様なもの）経由、というのであったが、アクセスﾊ
ログを見る限り、その様な経路をとるネットサーファーは意外に少なく１割強ﾊ
程度だった。自分のブックマーク（ネットスケープナビゲーターの様なブラウﾊ
ザに付属するＵＲＬの住所録）からのアクセスなのだろうか？それとも、手でﾊ
打ち込むか、あるいは、ＵＲＬを他の文書からコピーするか、などだろうか？ﾊ
しかし、その元になるＵＲＬの情報を一体どこからネットサーファーは得るのﾊ
だろうか？ちなみに、他の個人ホームページからのリンクを辿った訪問者でさﾊ
え数は少ないのだ。ＵＲＬの広告の成否が問題となっている現在、「ネットサﾊ
ーファーはどうやって新しいサイトにたどりつくのか」の調査が重要だと思うﾊ
のだが、今のところそういう調査は聞いたことがない。個人のブックマークスﾊ
の情報源は何か？また、ブックマークスに登録されたＵＲＬはどのような頻度ﾊ
で、訪問されるのか。その結果次第では、ブックマークス自体に広告を埋め込ﾊ
むほうが広告効果は高い、という可能性もある。この様な調査が必須だと思うﾊ
のだが、どうだろうか？[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
★電子メールの認証性（３）ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
かなり前に電子メールの認証性について、アメリカの独自ドメインの所有者ﾊ
としての認証が電子メールアドレスで行われているが、Ｍａｃｉｎｔｏｓｈなﾊ
どのメイラーでは所有者のメールアドレスを自由に設定できるので危険である、ﾊ
という記事を書いた。事後報告が延び延びになっていたが、今回報告する。ﾊ
結果的に言えば、Ｍａｃｉｎｔｏｓｈから設定したメールアドレスのメールﾊ
で認証されてしまった。つまり、誰でも「所有者」のふりをできるということﾊ
だ。現在、ドメインの名前は争奪戦が起きているほどであり、このままでは、ﾊ
「不当に」他人のドメインを「奪う」ことも可能だということだ。ﾊ
但し、念のために付け加えれば、メールアドレス以外にＰＧＰやパスワードﾊ
で認証をするようにするオプションも用意はされているのでそちらを用いるこﾊ
とにより、ドメインの所有者を他人に「かたられる」ことを防ぐことは可能でﾊ
ある。インターネット上の「認証性」はまだ実験的段階にあるが、何が最終的ﾊ
に世界標準になるのか今のところまったく予断を許さない、という状況である。[Back]ﾊ
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
飲虎寝人氏の最近のコメントにもあったように、ＷＷＷは内容が無い、といﾊ
うイメージが先行している（うちの教授連中も同じような意見であるのでこれﾊ
は普遍的なのだろう）。ＷＷＷ上の「オンライン・マガジン」としては老舗中ﾊ
の老舗、ＨｏｔＷｉｒｅｄならばそのような愚痴を言う人は少ないだろう。ﾊ
英語ながら、売り物の雑誌並の内容である。ただ、あくまでアメリカ人向けﾊ
だから、大統領選やイラク空爆の話題が多かったりして日本人に楽しめるのかﾊ
どうかは疑問ではある。このＨｏｔｗｉｒｅｄは雑誌ＷＩＲＥＤと混同されるﾊ
ことが多いが、内容は完全にオリジナルで雑誌版とのオーバーラップはない。ﾊ
それどころか、Ｈｏｔｗｉｒｅｄの一部として雑誌ＷＩＲＥＤが取り込まれ、ﾊ
バックナンバーの全文をＨｏｔｗｉｒｅｄの中で読むことができる。しかし、ﾊ
これほどの内容でありながら、経営についてはいろいろ取り沙汰されてきた。ﾊ
運営費は基本的にＷＷＷ上に掲示されるＢａｎｎｅｒと呼ばれる広告（長方形ﾊ
でクリックすると企業サイトにジャンプ）収入に頼っているが、これが採算ラﾊ
インに達しているとかいないとかいろいろ噂が絶えない。ﾊ
実際、Ｈｏｔｗｉｒｅｄの運営も目まぐるしく変化している。当初は、登録ﾊ
メンバー（勿論、登録無料）のみのアクセスだったが、現在は、登録メンバーﾊ
以外もゲストとしてアクセスを許している。また、当初は、毎週概要をメールﾊ
で送っていたが、最近は、自分が興味あるセクションの概要だけを送るようにﾊ
自分で設定するようになった。内容のセクション分けなどもこの１年でかなりﾊ
目まぐるしく変化しており、まだ、手探り状態なのかと思わせるものがある。ﾊ
このＨｏｔｗｉｒｅｄが最近、訪問者に対して詳細なアンケートを依頼した。ﾊ
ホームページにアクセスすると「アンケート解答ページ」が現われ、記入するﾊ
よう依頼される（勿論、拒否しても購読アクセス上何も制限はない）。アンケﾊ
ートは２回に分けられており、まず最初のアンケートで、年齢や年収からネッﾊ
トサーフに使っているコンピュータの種類まで含んだ詳細なアンケートでどのﾊ
部分の記事に興味を惹かれたかを聞かれる。ﾊ
しかし、このアンケートの本当の目的は第１のアンケートに答えた人にのみﾊ
送られてくるメールに記載された「第２弾アンケートページＵＲＬ」にアクセﾊ
スして初めて知ることができる。何と、ＡＴ＆ＴのＷｏｒｌｄＮｅｔ（一種のﾊ
プロバイダ）サービスのＢａｎｎｅｒについてｂａｎｎｅｒをクリックしたか、ﾊ
とか、デザインはどうか、などをしつこく聞かれる。この第２回アンケートのﾊ
実物は９／１７、正午現在、ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｈｏｔｗｉｒｅｄ．ｃｏﾊ
ｍ／ｓｕｒｖｅｙ／ｕｓｅｒ２／ｃｅｌｌ２／にまだ保存されている。ちなみﾊ
にこのＵＲＬのｃｅｌｌ２をｃｅｌｌ１にすると、インターネットエクスプロﾊ
ーラの詳細なアンケートのページがある。ｃｅｌｌ？の？にいろいろ数字を入ﾊ
れると様々なアンケートが置かれており、Ｈｏｔｗｉｒｅｄがアクセスした人ﾊ
の情報集めに必死になっている様子が良く伺われる。ちなみに、アンケートのﾊ
報酬は１００＄が当たること、だそうである。[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
★Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈ広告（？）効果ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
インターネット上の広告としてはＷＷＷ上のボタン（クリックするとサイトﾊ
に飛ぶ）が有名だが、必ずしも実効ある効果が出ているか疑わしく、その議論ﾊ
はつきない。インターネット上のもう１つの広告として試みられているのが、ﾊ
Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈに含まれる数行の広告記事だ。発足当初は７万ﾊ
円と言われていた。効果の程はどうだろうか？これは、効果を測るのは比較的ﾊ
たやすい。広告では通常、ホームページのＵＲＬの宣伝が主となるから、広告ﾊ
が掲載された日にアクセスがどれくらい伸びるかを見ればいい。ﾊ
図らずも拙ホームページ（＊）が、Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈで広告とﾊ
同程度のスペースで紹介された。アクセスの伸びを見れば広告効果を推し量れﾊ
る筈だ。結果を言うと僅かに２００程度アクセスが伸びただけで、次の日からﾊ
急速にアクセス数減で効果が持続しなかった。Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｗａｔｃｈﾊ
は購読数が数万のオーダーと思われるから、実に、１００人に１人しかアクセﾊ
スしなかったことになる。７万円で２００人のアクセスではいささか効果が薄ﾊ
すぎる。これが何らかの商用サイトなら、商品購入など経済活動に結び付くアﾊ
クセスは更にその数十分の１と思われるから、全くペイしないのではないか。ﾊ
ただ、拙ホームぺージは「科学解説」などというあまり人気のなさそうな内容ﾊ
なので参考にならないかも。またその後１週間、継続して１日数十程度増えたﾊ
状態が続いている（現時点）が、この点も未知数だ。かなり長期にわたって、ﾊ
アクセス数が数十／日増加するのであれば、７万円も高くないかもしれない。ﾊ
（＊）ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｇｒａｎｕｌａｒ．ｃｏｍ／ＩＳＣ−Ｊ[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
現在、ネットを用いた通販としてはホームページを用いたサイバーモールがﾊ
脚光を浴びているが、その実体は必ずしもバラ色ではない（「技術と経済」９ﾊ
月号「サイバーモールの夢と現実」ｐ３０参照）。これに対し、すでにある技ﾊ
術を利用して従来型の「カタログ販売」を電子化された形で行おうというのがﾊ
（株）ドームのＣｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅだ。その方式は、まず、従来のカﾊ
タログ通販で送られてきたカタログの代わりに、マルティメディアタイトル化ﾊ
されたＣＤ−ＲＯＭの電子カタログが送付されてくる。このＣＤ−ＲＯＭは、ﾊ
ごく普通のインターフェイスを持っており、項目をクリックするとカラー画像ﾊ
や説明が表示され、気に入ったら「購入」ボタンを押す、というものである。ﾊ
いわゆるバーチャルショッピングを楽しもうというものだ。ＣＤ−ＲＯＭは、ﾊ
ＷＩＮＤＯＷＳ、ＭＡＣのいずれでも動作するハイブリッド版が採用されておﾊ
り、機種依存性の問題は解決されている。販売品目はやはり、ゲーム、電気製ﾊ
品、ビデオ、本など、情報／家電関係を中心としたパソコンユーザを意識したﾊ
品揃えになっている。バーチャルショッピングが終わると、購入申し込みを行ﾊ
うが、これは、ＮｉｆｔｙＳｅｒｖｅに接続して電子メールを自動的に送るこﾊ
とで実行されるので購入者は難しい操作を一切必要としない。「購入依頼」のﾊ
ボタンを押すだけ、という感じに近い。その意味では、かなり、完成度は上がﾊ
っている。私は、Ｃｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅ発足時からの会員であり、このﾊ
程、試しに１万数千円程度の買い物をしてみたので状況を報告する。ﾊ
Ｃｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅのシステムは発足当初から順調だったわけではﾊ
決してない。ある程度会費を払ってカタログに相当するＣＤ−ＲＯＭを購入すﾊ
るのだが、まず、最初はなかなか予定通りの時期に配布されなかった（年４回ﾊ
の予定）。でき上がったＣＤ−ＲＯＭの出来もあまり褒められたものではない。ﾊ
まず、当初はハイブリッド版配布の予定が技術力の不足のせいか、ＷＩＮＤＯﾊ
ＷＳ、ＭＡＣ版が別々になった。更に、私は、Ｍａｃｉｎｔｏｓｈユーザであﾊ
るにもかかわらず、ＷＩＮＤＯＷＳ版が送付され、電話をしてＭＡＣ版を送るﾊ
ように依頼しなくてはならなくなった。ＣＤ−ＲＯＭの出来もあまり良くなく、ﾊ
当時としてはメモリーも過度に食い過ぎており、あまり、注文するのが簡単、ﾊ
という感じではなかった。私がそう感じるのだから、一般的な初心者ユーザにﾊ
は相当、使いにくかったのではないかと思う。ﾊ
１年後にシステムはリニューアルされ、Ｃｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅと提携ﾊ
のクレジットカード（ＪＣＢ）を発行し、このカードの会員にＣＤ−ＲＯＭをﾊ
無料配布、という形になった。ユーザインタフェースも、非常に良くなった。ﾊ
では、問題は無いのかというといろいろあると思われる。まず、今だにシステﾊ
ムの構築が甘い。リニューアル時には新しい会員番号とパスワードが配布されﾊ
たが、パスワードが系統的に誤って印字されるというミスを犯したため、当初ﾊ
配布のパスワードでは購入が出来ないという問題が発生した。パソコン初心者ﾊ
の多くは、自分の使い方が悪くて動かないのだと思ったのではないだろうか。ﾊ
この手のシステムでは「難しい、使いにくい」というイメージを持たれるのはﾊ
「最悪」なので、この点で汚点が残った（正しいパスワードは１週間程で別途ﾊ
郵送されてきた）。また、現在、ＣＤ−ＲＯＭは３ヵ月に一度の配布となってﾊ
いるが、これでは、最新情報としてあまりにもタイムラグが大き過ぎる。現在、ﾊ
ＣＤ−ＲＯＭのオーサリングを終了してから実際に配布用のＣＤ−ＲＯＭがでﾊ
きあがるまでの時間は約１ヵ月で、紙媒体に比べてかなり長い。紙媒体の場合、ﾊ
最終的な校正などが終了してから印刷までに１週間程度でなんとかなるのに比ﾊ
べて、大きな差がある。このため、ただでさえ、会員のもとにＣＤ−ＲＯＭがﾊ
届くまでに情報は古くなり、陳腐化する。更に、３ヵ月に一度となると、雑誌ﾊ
などで紹介されるゲームなどの新タイトルは殆ど載っていないと言うことになﾊ
る。実際、今回、私が購入した場合も問題が生じた。ﾊ
私が購入した中には、Ｃｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅの最新版が手元に届いたﾊ
のと同時期に店頭に並んだ雑誌で新発売と紹介されたＣＤ−ＲＯＭタイトルがﾊ
含まれている。結果から言うと、このタイトルはＣｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅﾊ
のカタログには含まれていなかった。同じ「最新号」でありながら、紙媒体とﾊ
ＣＤ−ＲＯＭの出版時期のずれでＣｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅは遅れをとったﾊ
わけだ。しかし、私は、これを「購入した」と書いたわけだ。カタログにないﾊ
ものをどうやって？ 実は、偶然にも同じＣＤ−ＲＯＭの英語版が載っていたﾊ
のだ。ところが、このＣＤ−ＲＯＭが出来た時点では日本語版は存在しなかっﾊ
たため、「英語版」の表記はなかった（日本語版は無いのだから、その時点でﾊ
はそのような断わりは要らない）。何も知らない私は、あやうく「英語版」をﾊ
知らずに購入するところだった。ここにもＣＤ−ＲＯＭと紙媒体の出版時期のﾊ
ずれによる問題が存在した。しかし、幸運にもこの英語版は売り切れで、間違ﾊ
って買うことはなかった。今、「幸運にも」と書いたが、実際はひどい話だ。ﾊ
日本語版が出来た結果、英語版の販売を取り止めたのかもしれないが、ＣＤ−ﾊ
ＲＯＭ出版にかかる１ヵ月の間に品切れが発生しうるということだ、私はＣＤﾊ
−ＲＯＭを受け取って間もなく、購入依頼をしたのだから。ここにもシステムﾊ
上の問題がある。最終的にはＣｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅは、英語版の代わりﾊ
に日本語版を販売することにしていたので結果的に、私は雑誌で紹介されていﾊ
た、ＣＤ−ＲＯＭタイトルを手に入れることができた。ﾊ
全般的に見て、「実験」という側面が無かったら、このシステムを利用したﾊ
かどうか疑問だ。送料として３８０円とられるし、価格が割引というわけでもﾊ
ない。ＣＤ−ＲＯＭを店では買うことが出来ない地方の会員以外には、あまりﾊ
メリットが無いのではないか。Ｃｉｔｙ Ｎｅｔ Ｌｉｎｅは出来たときにはﾊ
新しい販売形態として、随分、雑誌などでも大きく取り上げられたが、サイバﾊ
ーモールほどでないにせよ、通常のカタログ販売にまだ勝てていない、というﾊ
印象を持った。[Back]ﾊ
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*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
アバター、をご存じだろうか？今おおはやりのＷＷＷだが、受け身になりがﾊ
ちだし、みるだけではつまらない。ﾊ
「アバターの世界」は、「インタラクティブ」なホームページのようなものだ。ﾊ
専用のブラウザをｄｏｗｎ ｌｏａｄしてからそこにアクセスすると、仮想のﾊ
部屋があり、その中であなたはかわいいキャラクターで表現される。基本的にﾊ
はお互いに話をするだけだが、世界を自ら構築したり出来るようなものもある。ﾊ
グラフィカルなチャットシステムのようなものだが、事業として見た場合２つﾊ
の方向性が考えられる。ﾊ
まず、簡易型の会議システムとしての進化。現在の会議システムは、実写のﾊ
動画を送っているが実際にはその必要は無いはずだ。共通の黒板を見ることがﾊ
出来、図のやりとりなどできれば十分だ。それらの機能はすでに「アバターのﾊ
世界」に備わっている。ただ、現在は、意思疎通がテキストベースのやりとりﾊ
なのでこれが音声になる必要があろう。しかし、技術的にはこれは難しくないﾊ
はずだ。イントラネット用の簡易会議システムへの進化が予想される。ﾊ
もう１つは、エンターテイメントとしての進化。なにより印象的だったのはﾊ
女性ユーザの数の多さだ。かわいいキャラクターなどで自己を表現できるせいﾊ
か普通の主婦なども参加している。インターネットで「課題」と言われていたﾊ
「女性の取り込み」にすでに成功しているのだ。ﾊ
いずれにせよ、インターネットの新しい方向性として注目すべきだ。ﾊ
(参照：http://banana21.crlink.co.jp/Palace/About/palace.htmlﾊ
ﾊﾊﾊﾊﾊﾊ http://www.globewarp.or.jp/ﾊ
ワイアード１０月号（現在店頭に並んでいる分）８６ページに解説有）[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
「ＮＥＷＳＬＥＴＴＥＲ ＦＲＯＭ ＪＡＴＥＳ ＮＯ．７」コメントで、ﾊ
同テーマについて議論した。その後、実際に「公式」に「認証性」がある場合ﾊ
が見つかったようなので報告する。ﾊ
Ｉｎｔｅｒｎｉｃという組織をご存知だろうか。アメリカで、ドメイン名のﾊ
管理を行なっている組織である。同組織は、商標登録での調停問題（具体的にﾊ
は、商標登録されていても、第３者がドメイン名を取得できる問題。例えば、ﾊ
ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ．ｃｏｍを取得するのは誰でもできる。先願優先である。ﾊ
同種の問題は日本でも存在し、会社組織であれば、ｗｗｗ．ａｓａｈｉ−ｓｈﾊ
ｉｎｂｕｎ．ｃｏ．ｊｐなどを取得できるようだ。朝日新聞とは何の関係がなﾊ
くても）の煩わしさに音を上げて、以後、一切調停は行わないと宣言して注目ﾊ
を浴びた［ＰＣ ＷＥＥＫ ＷＩＲＥ １９９６．０８．１６］。ﾊ
そのＩｎｔｅｒｎｉｃには各ドメインの「連絡先電子メール」が登録されてﾊ
おり、ｗｈｏｉｓコマンドなどで参照できる。ﾊ
私自身が所有しているｃｏｍドメインの当該連絡先電子メールの変更が必要ﾊ
になり、ドメインの管理を委託している会社に連絡したところ、「自分でＩｎﾊ
ｔｅｒｎｉｃにメールを送って欲しい。その際、既に登録されている電子メーﾊ
ルアドレスから送る必要がある」と返答があった。つまり、既に登録されていﾊ
るメールアドレスから送られたメールであるかどうかで「認証性」を判断する、ﾊ
ということのようである。私はこの手続きを「勝手にＦｒｏｍ：ヘッダーを書ﾊ
き換えられる」パソコン上のメイラーから行なうつもりである。もし、それでﾊ
変更申請が受理されれば、電子メールがもっている認証性は非常に不完全かつﾊ
危険なものであることが解るだろう。なにせ、これはアメリカで訴訟を起こさﾊ
れているドメイン名の管理問題なのだ。この「連絡先」メールアドレスが誰にﾊ
でも変更できるとなると、ドメイン名を「盗む」のが非常に簡単になってしまﾊ
うことになる。試行の成否については続報で報告する。ﾊ
なお、これは単なるイタズラではないことを明記しておく。本学計算機センﾊ
ターのメールアドレス管理者がメールアドレスを変更して古いアドレスからはﾊ
発信できなくなったためのやむをない措置である。この問題もいずれは議論しﾊ
たい。[Back]ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*ﾊ
先日、脇田先生がネットサロンでも問題にされていたように「他人のＩＤ」ﾊ
を使うことは犯罪「的」である。ところが、ＩＤの中には勝手に使用することﾊ
が可能なものもあることが意外と知られていない。それはメールアドレス、でﾊ
ある。メールアドレスを「ＩＤ」と言いうるかどうかは問題があるが、米国でﾊ
はネットニュース内で、○○議員を殺してやる、という発言をした人物が「議ﾊ
員への脅迫」の罪に問われた、という報道もある（ワイアード９月号２７頁）。ﾊ
ニュースグループへの投稿では投稿者の「ＩＤ」がメールアドレスであることﾊ
を考えれば、ある意味で「ＩＤ」と言いうるだろう。また、メーリングリストﾊ
などでは、電子メールのＦｒｏｍ：フィールドをチェックすることにより登録ﾊ
メンバー以外からの投稿を禁止しているものもある。この場合もメールアドレﾊ
スは「ＩＤ」として機能していると言えるだろう。ﾊ
インターネットユーザーの多くがＵＮＩＸユーザーであった時代には、メーﾊ
ルアドレス＝ユーザーＩＤであり、メールアドレスにはある程度認証性があっﾊ
たとも言えるが、現在、急速にふえつつあるインターネットユーザーはパソコﾊ
ンからのアクセスがほとんどである。パソコンからのメールクライアントプロﾊ
グラムは、受信をＰＯＰプロトコル、送信をメールサーバーに投げる形での、ﾊ
ＳＭＴＰプロトコルを採用しており、送信者のメーリングアドレスとして「好ﾊ
きな」ものを入れることができる。誰にでもなりすませる、ということだ。ﾊ
勿論、ヘッダー情報などを注意深く見れば、おかしいことが解るが、そこまﾊ
で知識がある人がどれくらいいるか不明である（大体、パソコン上の普通のメﾊ
ールクライアントプログラムではデフォルトの設定ではヘッダーを表示せず、ﾊ
Ｆｒｏｍ：フィールドだけが表示される。ヘッダーなどというものは、見たこﾊ
とも聞いたこともない人が大量に出現しつつあるのだ）。そういう中で、メーﾊ
ルアドレスを、「ＩＤ」として部分的にでも使っている仕組みがインターネッﾊ
トに残っていることは、非常に大きな問題だ。ﾊ
現実には、他人の「ＩＤ」を使わない、というネチケットに頼るのではなくﾊ
ＩＤやパスワード以外の公開鍵暗号などの認証システムの実用化が急がれる。ﾊ
ＩＤやパスワードという概念は、インターネット時代に用いるにはあまりにもﾊ
ローテクな代物なのだということを是非、認識して欲しい[Back]ﾊ
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現時点では、インターネットの普及率は、問題にならないほど低い。これはﾊ
高くなっていくのだろうか？インターネットが普及するには既存の方法に対すﾊ
る明らかな有利さが無くてはならない。それは何か？個人的にはやはり、経済ﾊ
的な部分からやってくると思う。前回、コメントしたように、インターネットﾊ
関連の「要員」は著しく不足している。このため、大した技術が無くても利益ﾊ
を得ることができる（物理学科の助手に過ぎない私がこれを書いて報酬を得てﾊ
いるのが何よりの証拠である）。また、電子メールを用いることで、今まではﾊ
技能を利益に結びつけられなかった人々に利益が転がり込む。具体的には兼業ﾊ
のライター、デザイナーがまず、利益を得るだろう。ﾊ
インターネットは人々の格差を埋めず、広げることになるだろう。そして、ﾊ
そのことを持って、既存の社会の枠組を壊していくだろう。ﾊ
今のところウエブにアクセスできる者とできない者との間に目に見える格差ﾊ
が生じているとは言い難いが、既存メディアで概要紹介情報（呼び水情報）をﾊ
仕入れ、必要なまたは興味あるものについてはウエブにアクセスしさらに詳細ﾊ
かつ関連するさまざまな情報を入手するといった利用形態がひろまり、「入手ﾊ
可能」な情報量の格差が、生活の質を左右するようになれば、一般のウエブ指ﾊ
向は強まるだろう。また、情報入手先のメディアの選択肢が多様化することでﾊ
基幹メディアが弱体化し、これが人々の間の情報格差を広げる可能性があるがﾊ
社会の動きに機敏に対応するサイバースペース（内の有力サイト）が「世論」ﾊ
「流行」形成の主導権を握るようになれば、「オピニオンリーダー」として、ﾊ
多くの人々を引き寄せるようになる可能性も考えられる。ﾊ
逆に言えば、この仕組みが企業内にいかにうまく組み込めるかでインターネﾊ
ットの普及は加速されもし、妨げられもするだろう。年功序列的な発想と、イﾊ
ンターネットは相容れないがゆえに、これは困難を伴い、それゆえにインターﾊ
ネットの普及が遅れるという可能性は、決して無視できないが。例えば、最新ﾊ
最重要情報が集まる「現場」にインフルエンサー（影響を及ぼす人）が出現し、ﾊ
ネットワークを通じて他の企業内成員と自由にコンタクトを取り出した場合、ﾊ
組織階層はそれをどう取り込んでいくのか興味のあるところだ。ﾊ
[Back]ﾊ
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この問題についていまさら私が発言するまでもないが、全く改善が見られなﾊ
いので取り上げる。これから、計算機＋ネットワークが大切になるのは言うまﾊ
でもないが、技術能力を持った人間の不足が著しい。これは、低いレベルからﾊ
高いレベルまで一様に不足しているので問題が大きい。ﾊ
低いレベルでは、通常のパソコンソフトのレビュー記事を書く程度のライタﾊ
ーが不足している。現在のレベルでは、私のような、ど素人でも記事がかけるﾊ
レベルである（実際、最近、あるソフトのレビュー記事を書く羽目になった）。ﾊ
高いレベルでは、いわゆる計算機メーカーにおいて十分な知識を持った要員がﾊ
決定的に不足している。大学で、計算機の選定など行なっていると、まともなﾊ
仕様書さえ書けないメーカーが（一流メーカーでも！）多く、サポートができﾊ
るのかどうか不安を覚えることが多い。更に、中間のレベルで、ネットワークﾊ
技術者が払底している。ﾊ
本学の物理学科でも最近、２名ほど博士課程を修了／中退した学生が、いわﾊ
ゆるプロバイダーに就職している。大学と言う無料のインターネットでトレーﾊ
ニングした人物を雇うことでしか採算がとれないという状況は非常に良くないﾊ
のではないか。不況かもしれないが、人材養成にもっと力を注ぐ必要は無いのﾊ
だろうか？ﾊ
[Back]ﾊ
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ﾊ
現在、１００校プロジェクトなどで小中高校にインターネットにアクセス可ﾊ
能なコンピュータの配布が積極的に試行されている。その現状は、どうだろうﾊ
か。個人的な知合いの印象でしかなく、組織的な調査ではないのだが、聞く限ﾊ
りでは非常に酷い状況があるようである。最大の問題は、人の問題。機械は提ﾊ
供されるのだが、維持するための人間に対する手当は何もなく、現場の教職員ﾊ
に過大な負担が行っていると聞く。それだけでなく、中心になって頑張っていﾊ
た教員が転出し、全てが止まってしまったところもあるらしい。ﾊ
今後、教育現場に本格的にインターネット機器が導入された場合、管理者のﾊ
問題は非常に大きな障害となりうる。この点を解決するためには、どうすればﾊ
いいか。まず、小中高の教員に管理を兼ねさせるのは気違い沙汰である。現状ﾊ
でも教員は非常に多くの雑務を抱えており、これ以上の負担は不可能である。ﾊ
どうしても専任の技術員が必要となる。しかし、常勤の形で技術員を置くのはﾊ
かなり問題がある。技術の進歩について行けるかどうか解らないし、ついて行ﾊ
けない場合、何もしない人間を抱えることになる。やはり、何らかの形で管理ﾊ
サービス業を興し、そこから学校に派遣する形を取るのが望ましいだろう。当ﾊ
然、それに先だって、各地方公共団体のレベルか、文部省のレベルで適当な予ﾊ
算措置を作り、市場を形成しなくてはならない。ﾊ
ﾊ
また、この派遣業務は、通常のビジネスユースを対象とした管理会社とはまﾊ
た異なった人材を必要とするだろう。出来れば、教育系の学部卒で、ある程度ﾊ
教育に素養があり、かつ、計算機・ＬＡＮの管理が出来る人物を派遣できる機ﾊ
関／会社が存在することが望ましい。現状では、それについて、何も考えられﾊ
ていないようであり、早くそのような議論の展開されることを望んでいる。ﾊ
[Back]ﾊ